シラバス情報

授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード   Course Code 11D2027000
授業開講年度   Year of Class 2024年度
授業形態   Course Mode 講義(対面授業)
授業名称   Class Name MGCHR211キリスト教の思想と文化1/D1005キリスト教の諸相5
テーマ   Theme 古代キリスト教思想概観
科目名   Name of Subject MGCHR211キリスト教の思想と文化1
英字科目名
English Name of Subject
Christian Thought and Culture 1
身につく能力
Ability to be Acquired in This Class
◎=科目に最も関連する能力
〇=科目に関連する能力
知識・理解 現代社会が抱える諸問題を捉えるための幅広い基礎知識
汎用的技能 多面的思考・判断力、コミュニケーション力
態度・志向性 多様性の尊重、他者貢献、自律的学習態度
統合的な学習経験と創造的思考力 課題発見力
統合的な学習経験と創造的思考力 解決策提示力、社会参画による他者貢献
科目単位数   Credit 2
履修期   Term 春学期
教員氏名   Name of Teacher 久山 道彦
開講キャンパス   Campus 白金
曜時   Day and Period 火曜2時限(春学期)
授業概要   Course Description 古代キリスト教の歴史を概観しながら,キリスト教における思想の意義を学び,キリスト教の思想構造を探ります。
到達目標   Class Goals 「キリスト教の基礎」から,更なる探究の世界へと一歩踏み出すこと。自分自身のキリスト教理解を吟味し,深めること。キリスト教思想の意義を学ぶことにより,現代における宗教・世界・自分を深く理解すること。
授業言語   Language 日本語
アクティブ・ラーニング   Active Learning アクティブ・ラーニング対応
授業計画
Daily Class Schedule
【第1回】 授業内容
Content/Topic
古代キリスト教思想研究入門:はじめに・授業の方法・現代世界とキリスト教・
学問としてのキリスト教・古代キリスト教研究
「キリスト教の基礎」で学んだことを更に深めていくために必要なこととは?
予習内容
Preparation for Class
春学期シラバス概観
自分はいかなる学問的立場で,「キリスト教の歴史」を学ぼうとしているのでしょうか?
何故,「古代」からキリスト教を学ぶ必要があるのでしょうか?
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布した春学期シラバスの熟読。
キリスト教学とは,如何なる学問なのでしょうか?そもそも時代区分とは何なのでしょうか?
キリスト教の歴史において,「古代」とはどういう時代なのでしょうか?
参考図書:『世界史とキリスト教』八代崇著(聖公会出版)
     『神学とキリスト教学 その今日的な可能性を問う』神代真砂実他著
      (キリスト教新聞社)
目安時間
Hours
2 時間
【第2回】 授業内容
Content/Topic
原始教団から初期キリスト教へ:原始教団の成立・時が満ちて・エルサレム教会・
異邦人たちへの伝道
キリスト教最初期の共同体の構成と信仰的核心とは?
キリスト教における「復活」信仰について
何故,キリスト教は異邦人(ユダヤ人以外の人々)に受け入れられたのでしょうか?
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp.1-44
イエスの処刑後,弟子達は何を考え,何をしたのでしょうか?
新約聖書には何故,「ユダの裏切り」や「ペトロの否認」が書かれているのでしょうか?
使徒言行録1-2章を読んでみましょう。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布した授業プリントの熟読。イエスの処刑後の弟子たち・最初期の信仰共同体の核心・キリスト教でいう「復活」とは・イエスの教えがユダヤ人以外の人々に受け入れられた理由
参考図書:『イエスに魅せられた男 ペトロの生涯』井上洋治著(日本基督教団出版局)
     『使徒行伝と原始キリスト教史』 M. ヘンゲル著(教文館)
目安時間
Hours
2 時間
【第3回】 授業内容
Content/Topic
ユダヤ教とキリスト教:ユダヤ教キリスト教の関係の変化・ユダヤ教からのキリスト教批判への弁証
ユダヤ教を母胎とする新興宗教であったキリスト教は,どのようにして独立したのでしょうか?
ローマ帝国内でのユダヤ教とキリスト教の立場
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp.45-72
キリスト教とユダヤ教の共通点と相違点とは,どのようなものだったのでしょうか?
ユダヤ教はキリスト教をどのように見ていたのでしょうか?
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布した授業プリントの熟読。キリスト教と諸宗教との関係・キリスト教迫害の理由・キリスト教は何故「ユダヤ教イエス派」に終わらなかったのでしょうか?
参考図書:『イエス時代のユダヤ教』 J. ニューズナー著
目安時間
Hours
2 時間
【第4回】 授業内容
Content/Topic
グノーシス教(主義)とキリスト教:グノーシス教(主義)研究の問題点・
グノーシス教(主義)諸派とその思想
「悟り」の宗教と言われるグノーシス教(主義)が,人々を引き付けた理由とは?
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp.73-82
グノーシス主義(教)とは,どのようなものだったのでしょうか?
グノーシス主義(教)をめぐる研究の歴史を学びましょう?
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布した授業プリントの熟読。グノーシス主義者が主張したかったことはどのようなことだったのでしょうか?グノーシス教(主義)がキリスト教側から厳しい反駁を受けた理由は,いったい何だっだのでしょうか?
参考図書:『グノーシス考』 大貫隆著
目安時間
Hours
2 時間
【第5回】 授業内容
Content/Topic
ギリシア思想とキリスト教:キリスト教とギリシア思想の関係・プラトニズムによるキリスト教批判
キリスト教という宗教は,「思想」をもつのでしょうか?
キリスト教は,ギリシア思想からの批判に対して,どのような態度をとったのでしょう?
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp.63-72
キリスト教は,ギリシア哲学と出会うことで,何らかの変化を生じたのでしょうか?
ギリシア思想は,キリスト教をどのようなものと考えたのでしょうか?
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布した授業プリントの熟読。ギリシア思想からみたキリスト教・古代における「キリスト教批判」
参考図書:『キリスト教古代の思想家たち 教父思想入門』 関川泰寛著     
     『教父哲学で読み解くキリスト教』 土橋茂樹著
目安時間
Hours
2 時間
【第6回】 授業内容
Content/Topic
使徒教父:プリニウスとトラヤヌスの往復書簡・代表的な使徒教父・二世紀の教会の状況
ローマ帝国側の資料として,キリスト教について言及している史料を確認しましょう。
殉教をめぐる諸文書の意義を考えましょう。
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp.53-62
使徒教父とは,どのような人々を指しているのでしょうか?
使徒教父たちが果たした役割は,日本にも及んでいることを学びましょう。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「使徒教父」と呼ばれる人々が生きた時代状況とは?
使徒教父文書の資料的価値とは?使徒教父文書の読み方をめぐる問題とは?
参考図書:『ローマ皇帝礼拝とキリスト教徒迫害』 弓削達著
     『使徒教父文書を読む』 斎藤政信著
目安時間
Hours
2 時間
【第7回】 授業内容
Content/Topic
弁証論者:弁証論者の思想・アレクサンドリアのクレメンス
弁証論者のユスティノスとクレメンスは,なぜ重要なのでしょうか?
ロゴス・キリスト論について考えてみましょう。
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp.63-89
殉教者ユスティノスとアレクサンドリアのクレメンスについて知らべてみましょう。
この二人の弁証論者の違いは何だったのでしょうか?
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布した授業プリントの熟読。「教父」とは・教父がキリスト教思想の成立に果たした役割・弁証論者の役割
参考図書:『教父学入門 ニカイア以前の教父たち』 土井健司著
目安時間
Hours
2 時間
【第8回】 授業内容
Content/Topic
テルトゥリアヌス:テルトゥリアヌスの生涯・モンタニズム・テルトゥリアヌスの著作と思想
元弁護士のキリスト教改宗者は,キリスト教のどのような点に惹かれたのでしょうか?
厳格なキリスト教と肝要なキリスト教は,それぞれどんな問題をもつのでしょうか?
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp.89-94
重要な神学用語がテルトゥリアヌスに由来しているのを知っていますか?
モンタニズムという再臨待望運動を知っていますか?
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
テルトゥリアヌスの重要性と後代への影響
参考図書:『キリスト教とローマ皇帝 その戦いの歴史』 E. シュタウファー著
     『キリスト教の主要神学者 上』 F. W. グラーフ著
目安時間
Hours
2 時間
【第9回】 授業内容
Content/Topic
オリゲネス:オリゲネスの生涯・オリゲネスの著作・オリゲネスの思想
殉教者を父にもつオリゲネスの生涯
異端として断罪されても写本が作られたオリゲネスの著作
アウグスティヌスと並ぶ古代キリスト教の思想家
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp.94-97
オリゲネスの聖書解釈方法を調べてみましょう。
オリゲネスの著作に,翻訳から触れてみませんか?
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布した授業プリントの熟読。オリゲネスの重要性と思想的特徴
参考図書:『オリゲネス』 小高毅著
     『聖書解釈者オリゲネスとアレクサンドリア文献学』 出村みや子著
目安時間
Hours
2 時間
【第10回】 授業内容
Content/Topic
ローマ帝国とキリスト教:三世紀の迫害・大迫害と最後の勝利・コンスタンティヌス大帝・公神学
散発的迫害から帝国規模の大迫害へ
コンスタンティヌス大帝の回心とは?ローマ帝国にとって必要な「キリスト教」とは?
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp.99-152
キリスト教を迫害していたローマ帝国が,なぜキリスト教を擁護する側に転じたのでしょうか?
コンスタンティヌス大帝についての評価が分かれる理由を考えてみましょう。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布した授業プリントの熟読。三世紀から四世紀にかけてのローマの政治的変動とキリスト教・「コンスタンティヌスの回心」の理解・キリスト教は,ローマ帝国の国家宗教となることで,変質したのでしょうか?
参考図書:『天を仰ぎ,地を歩む ローマ帝国におけるキリスト教世界の構造』
       C. マルクシース著
目安時間
Hours
2 時間
【第11回】 授業内容
Content/Topic
3世紀の宗教思潮とキリスト教:修行と修道制・新プラトン主義とマニ教・キリスト教の神学的状況
修道制の起源について考えてみましょう。アウグスティヌスを惹きつけた新プラトン主義の思想やマニ教について学びましょう。
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp.153-172
キリスト教の歴史の中で,修道制がなぜ生じたのでしょうか?
新プラトン主義とは,どのような思想だったのでしょうか?
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布した授業プリントの熟読。キリスト教史における「修行」の意義・新プラトン主義の特徴・キリスト教の思想形成
参考図書:『キリスト教の修道制 周縁性と社会性の狭間で』 豊田浩志著
     『砂漠の師父の言葉』 谷隆一郎・岩倉さやか訳
目安時間
Hours
2 時間
【第12回】 授業内容
Content/Topic
アレイオス(アリウス)論争とニカイア公会議(その1):アレイオス論争・ニカイア公会議
どのような議論の流れの中で,アリウス論争は始まったのでしょうか?
ニカイア公会議でなされた議論によって生じたグループを学んでみましょう。
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp.173-177
アレイオス論争の神学的本質とは,どのようなことなのでしょうか?
ニカイア公会議とは,誰によって,どのような意図から開催されたのでしょうか?
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布した授業プリントの熟読。アレイオス論争の神学的ポイントを説明してみましょう。
コンスタンティヌス大帝の意図はどのようなものだったのでしょうか?
参考図書:『ニカイア信条講解』 関川泰寛著
     『「私たちの世界」がキリスト教になったとき コンスタンティヌスという男』
       P. ヴェーヌ著
目安時間
Hours
2 時間
【第13回】 授業内容
Content/Topic
アレイオス(アリウス)論争とニカイア公会議(その2):反動としての異教の復興・アレクサンドリアのアタナシオス・カッパドキアの偉大な教父たち
背教者ユリアヌスの宗教政策とはどのようなものだったのでしょうか?
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp.177-202
なぜ,キリスト教教育を受けたユリアヌスが,背教者と呼ばれるに至ったのでしょうか?
アタナシオスを支持した人々は,どのような人々だったのでしょうか?
カッパドキアの三教父は,どのような足跡をキリスト教の歴史に残しているのでしょう?
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布した授業プリントの熟読。アレイオス論争の余波・ニカイア公会議の決定事項
公会議の決定がすんなり決まったわけでも無いこと,その後の論争の揺れを抑えましょう。
カッパドキアの三教父と姉マクリーナの特徴を,それぞれに挙げることができますか?
参考図書:『背教者ユリアヌス』 辻邦夫著
     『カッパドキア教父 キリスト教とヘレニズムの遺産』 A. メレディス著
目安時間
Hours
2 時間
【第14回】 授業内容
Content/Topic
帝国教会から古代の終焉:ミラノのアンブロシウス・ヒッポのアウグスティヌス・古代の終焉
帝国教会となったキリスト教が抱えた問題を考えてみましょう。
アウグスティヌスは,「ローマ帝国滅亡の原因はキリスト教の国教化にある」という主張に対して,
どのように答えたのでしょうか?
予習内容
Preparation for Class
『キリスト教史 上』フスト・ゴンサレス著 pp. 203-235
ミラノのアンブロシウスという人物について調べてみましょう。
アウグスティヌスは,どのような思想遍歴の持ち主なのでしょうか?
ローマ帝国の滅亡は,キリスト教にどのような影響を与えたのでしょうか?
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布した授業プリントの熟読。アンブロシウスの影響・アウグスティヌスと悪の問題・ローマ帝国の崩壊とキリスト教
参考図書:『アウグスティヌス講話』 山田晶著
     『アウグスティヌスを学ぶ人のために』 金子晴勇編
目安時間
Hours
2 時間
【第15回】 授業内容
Content/Topic
特別学習回:春学期授業の総括
古代キリスト教を歴史的に概観することから,何を学ぶことができましたか?
キリスト教は,他の思想や宗教と出会うことで,何か変化があったのでしょうか?
今日のキリスト教を学ぶ上で,古代のキリスト教を学ぶことは意味がありましたか?
予習内容
Preparation for Class
これまでの学習内容の確認:教科書の熟読と疑問点の発見・配布プリントの熟読と疑問点の発見 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
春学期末レポート試験の準備 目安時間
Hours
2 時間
授業に関する注意事項   
Remarks for Class
各回の授業のテーマ・内容を,課題文献(テキスト)を読んで理解し,疑問を持って授業に臨みましょう。一緒に話し合い,考えながら授業を進めます。出席は必須です。
教科書   Texts フスト・ゴンサレス著『キリスト教史』上巻 新教出版社 2002年
参考書   Reference Books 菊池榮三・菊池伸二著『キリスト教史』 教文館 2005年
フスト・ゴンサレス著『キリスト教思想史 Ⅰ』 新教出版社 2010年
課題フィードバック方法区分
Assignment Feedback Method
授業時間内に講評・解説を行う
課題フィードバック方法内容
Assignment Feedback Method Content
成績評価の基準   
Evaluation Criteria
平常点(授業参与30%・リアクションペーパーなど30%)と学期末レポート試験40%による総合評価
関連URL   Related URL
備考   Notes
添付ファイルの注意事項   Notice
更新日時   Date of  Update 2024年02月16日 15時04分42秒