シラバス情報

授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード   Course Code 11D2527000
授業開講年度   Year of Class 2024年度
授業形態   Course Mode 講義(対面授業)
授業名称   Class Name MGCHR212キリスト教の思想と文化2/D1006キリスト教の諸相6
テーマ   Theme 「キリスト教思想史の根本問題」
科目名   Name of Subject MGCHR212キリスト教の思想と文化2
英字科目名
English Name of Subject
Christian Thought and Culture 2
身につく能力
Ability to be Acquired in This Class
◎=科目に最も関連する能力
〇=科目に関連する能力
知識・理解 現代社会が抱える諸問題を捉えるための幅広い基礎知識
汎用的技能 多面的思考・判断力、コミュニケーション力
態度・志向性 多様性の尊重、他者貢献、自律的学習態度
統合的な学習経験と創造的思考力 課題発見力
統合的な学習経験と創造的思考力 解決策提示力、社会参画による他者貢献
科目単位数   Credit 2
履修期   Term 秋学期
教員氏名   Name of Teacher 久山 道彦
開講キャンパス   Campus 白金
曜時   Day and Period 火曜2時限(秋学期)
授業概要   Course Description 「キリスト教の基礎」で学んだことを踏まえ,現代社会の様々な問題を考察する上で有用な,キリスト教思想史の根本問題を,神概念・人間観・言語について学んでいきます
到達目標   Class Goals キリスト教思想に関わる神観と人間観と言語を学ぶことにより,人間についての自分の考え方が広がり深まること。キリスト教の神概念と人間観が人類に貢献している意義を理解すること。
授業言語   Language 日本語
アクティブ・ラーニング   Active Learning アクティブ・ラーニング対応
授業計画
Daily Class Schedule
【第1回】 授業内容
Content/Topic
キリスト教思想史の根本問題を学ぶために:はじめに・授業の方法・学問としてのキリスト教・キリスト教思想史の根本問題
予習内容
Preparation for Class
これまでの自分のキリスト教についての学び(「キリスト教の基礎」で学んだことなど)を点検・整理してみて下さい。自分はいかなる立場で「キリスト教思想史の根本問題」を学ぼうとしているのでしょうか? 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布する秋学期シラバスの熟読。キリスト教という宗教は,如何にして学問的探究の対象になるのでしょうか?キリスト教思想史の根本問題を「旧約聖書→新約聖書→古代キリスト教」という流れで学ぶ意義とは?
参考図書:『キリスト教思想史入門』 金子晴勇著
目安時間
Hours
2 時間
【第2回】 授業内容
Content/Topic
神概念(1) ヘブライ思想における神:神概念とは・歴史的経験における神・ヤハウェ信仰の特質・預言者たちの神・神信仰の多様性と統一性
予習内容
Preparation for Class
「旧約聖書」という文書についての基本的理解が確認できているでしょうか?そもそも「神」とは旧約聖書では,どのような意味で用いられているのでしょうか? 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布する授業プリントの熟読。神概念は,キリスト教の他の基礎的概念(人間・言葉・歴史など)と,如何なる関係にあるのでしょうか?旧約聖書における「神概念」の特徴とは?それらは,どのように形成されたのでしょうか?
参考図書:『人間を探し求める神』 A. ヘッシェル著
目安時間
Hours
2 時間
【第3回】 授業内容
Content/Topic
神概念(2) 新約聖書におけるイエス=キリストと神:イエスとその神・原始教団の神・パウロの神
予習内容
Preparation for Class
イエスの説いた神は,それまでのユダヤ教の神とは,どのような点が異なっていたのでしょうか?「復活」ということで,原始教団の人々が主張したかったことは,如何なる事態だったのでしょうか?ユダヤ教からイエスの使信へと回心したパウロは,どのような神理解をしたのでしょうか? 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布する授業プリントの熟読。ユダヤ教とキリスト教の基本的相違点とは何でしょうか?神概念を「イエス→原始教団→パウロ」という流れで学ぶ意義とは?
参考図書:『一神教の誕生 ユダヤ教からキリスト教へ』 加藤隆著
目安時間
Hours
2 時間
【第4回】 授業内容
Content/Topic
神概念(3) 古代キリスト教における神 ― 三一論を中心として―:三一論(三位一体論)とは・信条における三一論・関係の論理としての三一論
予習内容
Preparation for Class
三一論の教義とはどのようなものでしょうか?三一論は,キリスト教思想史上,なぜ重要なのでしょうか?三一論のもつ現代的な意義とは,どのようなものでしょうか? 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布する授業プリントの熟読。「三位一体」という言葉が聖書にないからという理由で三一論を否定することは,どうして問題なのでしょうか?キリスト教にとり「信条」がなぜ重要なのでしょうか?三一論を考える場合の注意点とは?
参考図書:『古代教会の信仰告白』 渡辺信夫著
目安時間
Hours
2 時間
【第5回】 授業内容
Content/Topic
DVD鑑賞:『夜と霧』
映像教材から「悪の問題」を考える
予習内容
Preparation for Class
人間とはどのような生き物かを考える場合に,避けて通れない「悪の問題」があります。第二次世界大戦中,なぜアウシュヴィッツ強制収容所でダヤ人の大量殺戮が行われたのでしょうか? 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
アウシュヴィッツで殺戮を行った人々は,戦後,何を考えたのでしょうか?アウシュヴィッツを生き延びた人々は,その後,何を考えたのでしょうか?
参考図書:『夜と霧』 V. E. フランクル著
     『悪と全体主義 ハンナ・アーレントから考える』 仲正昌樹著
目安時間
Hours
2 時間
【第6回】 授業内容
Content/Topic
人間観(1) 関係性:根源的関係としての神関係・神関係と自己関係の相関性・人間の位置と多極的関係
予習内容
Preparation for Class
神との関係は,何故,人間の現実問題を認識する場合,不可欠なのでしょうか?神―イエス・キリスト―人間の三極関係のもつ意味は何でしょうか? 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布する授業プリントの熟読。キリスト教思想史において,神概念と人間観の「関係」がどうして大切なのでしょうか?様々な哲学者たちの「関係」についての考察から,何を学びましたか?
参考図書:『死に至る病』 S. キルケゴール著
     『我と汝』 M. ブーバー著
     『キリスト教綱要』 J. カルヴァン著
目安時間
Hours
2 時間
【第7回】 授業内容
Content/Topic
人間観(2) 被造性と共同性:関係における人間についての問題点・参考資料としての創造物語・被造性・共同性
予習内容
Preparation for Class
以下の聖書個所を読み,今回のテーマについて考えてみましょう。創世記1~2,詩篇139:13,15,16a,ヨブ記10:8~12,コヘレトの言葉3:19f,イザヤ書40:6f,創世記18:27,ロマ書4:17,雅歌6:3,ホセア書2:18,箴言8:18,詩篇52:3; 36:6,イザヤ書45:21 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布する授業プリントの熟読。創世記の創造物語は,オリエントの神話とどのような点が違うのでしょうか?旧約聖書では,人間の「はかなさ」や「むなしさ」を,どのように表現しているのでしょうか?「無からの創造」とは,どのようなことを意味しているのでしょうか?
参考図書:『旧約聖書の人間論』 H. W. ヴォルフ著
目安時間
Hours
2 時間
【第8回】 授業内容
Content/Topic
人間観(3) 主体性(その1):旧約聖書における人間の構成
予習内容
Preparation for Class
以下の聖書個所を読み,今回のテーマについて考えてみましょう。創世記6:3, 41:38,出エジプト記31:3,民数記27:15,申命記29:3,士師記16:30,サムエル記上25:37f,サムエル記下24:10,ヨブ記1:21, 26:5f, 34:14f,詩篇6:4, 33:6, 51:10, 56:4, 103:1, 104:29, 119:120,箴言2:10, 15:14,コヘレトの言葉1章,イザヤ書40:6,エゼキエル書11:5, 19,ヨエル書2:12, 28f,ゼカリア書12:1, ヨエル書2:12, 3:1,使徒言行録2:17f,ロマ書5:5, 8:5, 27,コリント前書6:13, 15, 19, 12:27, 15:44,フィリピ書3:12 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布する授業プリントの熟読。旧約聖書は,人間を根本的にどのような存在であると考えているのでしょうか?古代の人々は,人間の構成要素をどのように考えていたのでしょうか?旧約聖書において,「魂」と「肉体」は対立する概念なのでしょうか?旧約聖書では,「霊(息)」が神についても,人間についても言われているのは,何故でしょうか?旧約聖書の人間観で,一番重要なのが「心」であるとされるのは,何故でしょうか?
参考図書:『ユダヤ教の人間観』 E. フロム著
目安時間
Hours
2 時間
【第9回】 授業内容
Content/Topic
人間観(4) 主体性(その2):初期ユダヤ教の人間観・新約聖書における人間観の再構成・パウロの人間観
予習内容
Preparation for Class
以下の聖書個所を読み,今回のテーマについて考えてみましょう。旧約聖書続編,Gen. 5:5, Job 26:6, 知恵の書2:23, ⅠCor. 6:15, 12:27 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布する授業プリントの熟読。旧約聖書の人間観は,直接的に新約聖書の人間観に連続しているのでしょうか?新約聖書の人間観の前提となる初期ユダヤ教の特徴とはどのようなものでしょうか?新約聖書の人間観を構成するための資料は,どのように分類されるのでしょうか?パウロは,人間の肉体(身体)をどのようなものと考えていたのでしょうか?
参考図書:『新約聖書の誕生』 加藤隆著
目安時間
Hours
2 時間
【第10回】 授業内容
Content/Topic
人間観(5) 主体性(その3):古代キリスト教思想における人間観・グノーシス(教)主義とは・グノーシス主義の人間観・グノーシス主義及びギリシア思想とキリスト教との戦い
予習内容
Preparation for Class
第4回と第8回のプリント そもそも「グノーシス」とは,本来,どのようなことを意味した言葉だったのでしょうか?グノーシス(教)主義について調べてみましょう。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布する授業プリントの熟読。グノーシス主義者たちは,いったい何を知ろうと欲したのでしょうか?グノーシス主義の人間観の特徴は,どのような点にあったのでしょうか?グノーシス主義者の人間観のどこが問題であるとして,古代キリスト教の思想家は戦ったのでしょうか?
参考図書:『グノーシス』 C. マルクシース著
目安時間
Hours
2 時間
【第11回】 授業内容
Content/Topic
人間観(6) 主体性(その4):古代キリスト教思想における人間観・神の像(imago Dei)・ペルソナ(persona)
予習内容
Preparation for Class
創世記1章~2章,第6回のプリント 「人間は神の像である」とは,どのようなことを意味しているのでしょうか?キリスト教の神は「人格神」であるという場合に,どのような問題が考えられるでしょうか? 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布する授業プリントの熟読。神の像としての人間という考え方の典拠となるテキストには,どのような解釈上の問題があるのでしょうか?ペルソナを「人格」と訳すことは,キリスト教においては,どのような問題があるのでしょうか?本来は三一神に用いられていたペルソナ概念は,なぜ人間について用いられるようになったのでしょうか?
参考図書:『宗教論』 F. D. E. シュライエルマッハー著
目安時間
Hours
2 時間
【第12回】 授業内容
Content/Topic
DVD鑑賞『イントレランス』:映像教材から人間の「不寛容」を考える
予習内容
Preparation for Class
西洋哲学史における「寛容」の問題について調べてみましょう。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきなのでしょうか?対宗教や対民族だけでなく,様々な条件で生きている現代社会の人々に対して,私たちは寛容でしょうか?
参考図書:『』 渡辺一夫著
目安時間
Hours
2 時間
【第13回】 授業内容
Content/Topic
言語(1) キリスト教における言葉の問題(学問論の確認・根本問題・資料としての聖書の基礎知識):根本問題としての言葉・基礎資料としての聖書
予習内容
Preparation for Class
キリスト教を学ぶ基本として,聖書についての基礎知識,とりわけ言語については大丈夫でしょうか?言葉と思想の関係は,どのようなものなのでしょうか? 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布する授業プリントの熟読。キリスト教における言葉の問題を,どのような立場から,どのような課題として,どのように研究するのでしょうか?
参考図書:『聖書を原語で読んではじめてわかること』 村岡崇光著
目安時間
Hours
2 時間
【第14回】 授業内容
Content/Topic
言語(2) キリスト教思想史における重要言語を概観:キリスト教思想史における「古典語」・西洋古典における古典語との相違・ヘブライ語の重要性・アラム語
予習内容
Preparation for Class
キリスト教思想を学ぶ場合,どのような言語をまず習得する必要があるのでしょうか?古典語の知識が何故必要なのでしょうか?キリスト教思想の研究にヘブライ語の知識が必要な理由は何なのでしょうか? 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
配布する授業プリントの熟読。聖書言語と諸地域語の関係とは?イエス時代の言語状況とは?経典の言語と思想の関係とは?
参考図書:『イエス時代の言語状況』 土岐健治著
目安時間
Hours
2 時間
【第15回】 授業内容
Content/Topic
特別学修回:秋学期授業内容の総復習:神概念(1)~(3)・人間観(1)~(6)・言語(1)~(2)
予習内容
Preparation for Class
第1~14回までのプリントと総復習用プリントの熟読。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
この授業でキリスト教の神観と人間観,そして言語を学ぶことにより,人間についての考え方が深まったでしょうか?キリスト教において信じられている「神」概念がもつ,人類に対する貢献や意義が理解できたでしょうか?キリスト教が考える「人間」存在の理解から,自分の日常生活において意味ある事柄を見出せたでしょうか?キリスト教における「言語」の問題の重要性について考えることができたでしょうか?の授業を受講する前と後では,自分の考え方や世界観・人生観に変化が見られたでしょうか? 目安時間
Hours
2 時間
授業に関する注意事項   
Remarks for Class
シラバスから各回の授業のテーマ・内容を読んで,疑問を持って授業に出席しましょう。この授業は,一緒に話し合い,考えながら進めます。ですから出席は必須です。
教科書   Texts 必要に応じてプリントを配布します。
参考書   Reference Books フスト・ゴンサレス著『キリスト教思想史 Ⅰ』 新教出版社 2010年
課題フィードバック方法区分
Assignment Feedback Method
授業時間内に講評・解説を行う
課題フィードバック方法内容
Assignment Feedback Method Content
成績評価の基準   
Evaluation Criteria
平常点(授業参与30%・リアクションペーパーなど30%)と学期末レポート試験40%による総合評価
関連URL   Related URL
備考   Notes
添付ファイルの注意事項   Notice
更新日時   Date of  Update 2024年02月16日 15時05分42秒