シラバス情報

授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード   Course Code 11D5044100
授業開講年度   Year of Class 2024年度
授業形態   Course Mode 講義(対面授業)
授業名称   Class Name MGCHR223宗教史3/D1013宗教史3
テーマ   Theme 中世ヨーロッパの宗教
科目名   Name of Subject MGCHR223宗教史3
英字科目名
English Name of Subject
History of Religion 3
身につく能力
Ability to be Acquired in This Class
◎=科目に最も関連する能力
〇=科目に関連する能力
知識・理解 現代社会が抱える諸問題を捉えるための幅広い基礎知識
汎用的技能 多面的思考・判断力、コミュニケーション力
態度・志向性 多様性の尊重、他者貢献、自律的学習態度
統合的な学習経験と創造的思考力 課題発見力
統合的な学習経験と創造的思考力 解決策提示力、社会参画による他者貢献
科目単位数   Credit 2
履修期   Term 春学期
教員氏名   Name of Teacher 蝶野 立彦
開講キャンパス   Campus 白金
曜時   Day and Period 月曜5時限(春学期)
授業概要   Course Description  中世(5~15世紀)から宗教改革の時代(16世紀)までのヨーロッパの宗教史の展開を概観する。近年の歴史学、歴史人類学、メディア論、日欧交渉史研究の研究成果も踏まえつつ、特に「古代ユダヤ教および初期キリスト教と中世的キリスト教の関係」「西方キリスト教と東方キリスト教の関係」「中世の教会制度と教皇権の確立」「修道院制度の発展」「正統と異端」「教会のキリスト教と民間信仰」「宣教・布教と情報伝達」「中世のキリスト教と戦争」「異教徒や宗教的マイノリティーへの差別」「宗教改革の歴史的・神学的背景とヨーロッパ諸地域への宗教改革の波及」「中世~宗教改革期の西方キリスト教世界の言語文化の構造(ラテン語と各国語の関係)と宗教改革者による情報伝達」「宗派(教派)対立の時代の宗教戦争」「大航海時代の非ヨーロッパ世界(アメリカ、アフリカ、アジア)でのキリスト教宣教とヨーロッパのキリスト教徒の《日本》認識」などの問題を軸に、重要な邦訳史料や図像史料を読み解きながら、宗教史についての理解を深めてゆく。
 春学期の前半では、主に中世ヨーロッパの宗教史の展開について学ぶ。まず、中世ヨーロッパの宗教史の起点を形作っている「古代ユダヤ教とキリスト教の関係」「古代ローマ帝国とキリスト教の関係」について検討したのち、中世のキリスト教の基本的特徴、東西キリスト教の分離とそれに伴うキリスト教世界の《ラテン語文化圏》と《ギリシア語文化圏》への分裂のプロセス、さらに西方キリスト教世界における《ローマ教皇権の確立》と《修道院制度の発展》の過程を概観し、次いで中世の宗教文化の基層を形作っている民衆の宗教世界に目を転じ、《民衆へのキリスト教布教の展開》と《民衆の宗教的心性》に光を当てる。そして中世のヨーロッパで教会に対する対抗勢力として出現したカタリ派やヴァルドー派などの異端運動、エックハルトらの神秘主義思想、さらに中世の異端運動に大きな影響を与えた終末論と救済史の観念について考察し、また、中世期の十字軍遠征の神学的背景やユダヤ人(ユダヤ教徒)迫害の実相を理解する。
 春学期の後半では、主に宗教改革とその影響について学ぶ。ルター、ツヴィングリ、カルヴァンらの宗教改革運動やカトリックの対抗宗教改革の展開を辿り、それらの改革が中世末期の改革運動やルネサンス人文主義とどのように関連していたのか、また、それらの改革がヨーロッパの宗教・文化・社会・政治・情報環境にどのような変化をもたらしたのかについて検討し、さらに大航海時代のヨーロッパ諸国の世界進出とアメリカ大陸・アフリカ・アジア・日本でのカトリック宣教との関わりに考察を加えるとともに、宗教改革と対抗宗教改革の結果として生じた宗派(教派)対立と宗教戦争にも光を当てる。また、16世紀のヨーロッパで頻発した魔女狩り(魔女迫害)の歴史的背景についても考察する。
到達目標   Class Goals 「中世~宗教改革期のヨーロッパの宗教史の展開とそれに関わる重要な論点について、歴史的事実と具体的資料に基づいて正確な知識を身につけること」「参考文献等を活用しながら、それらの知識を独自の視点から理解・解釈し、現代社会が抱える諸問題とも関連付けながら、それを論述する能力を養うこと」が本授業の目標である。
授業言語   Language 日本語
アクティブ・ラーニング   Active Learning アクティブ・ラーニング非対応
授業計画
Daily Class Schedule
【第1回】 授業内容
Content/Topic
授業の狙いとコンセプトについての説明
予習内容
Preparation for Class
シラバスの熟読。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のコンセプトと各自の問題関心を照らし合わせて、受講の準備を行う。 目安時間
Hours
2 時間
【第2回】 授業内容
Content/Topic
中世的キリスト教世界の成立の歴史的背景(1) ― 古代ユダヤ教とキリスト教
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第3回】 授業内容
Content/Topic
中世的キリスト教世界の成立の歴史的背景(2) ― 古代ローマ帝国におけるキリスト教徒迫害とキリスト教の《国教》化、西ローマ帝国の滅亡と「教会」概念の変容、古代末期の公会議と「正統と異端」をめぐる問題の発生、「西方キリスト教」と「東方キリスト教」の分離とキリスト教世界の「ラテン語文化圏」と「ギリシア語文化圏」への分裂
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第4回】 授業内容
Content/Topic
中世ヨーロッパの教会制度と中世的世界観 ― キリスト教的世界観とローマ・カトリック教会の位階制、ローマ教皇権の確立、修道院制度の発展、「カトリック」概念の形成、叙任権闘争
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第5回】 授業内容
Content/Topic
民衆の宗教と多神教的・魔術的基層文化 ― 《民衆世界のキリスト教化》と《異教的心性》、「適応」による民衆布教と「剣」による民衆布教、「聖人崇敬」「聖遺物崇敬」「聖地巡礼」と中世の民衆の宗教的心性
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第6回】 授業内容
Content/Topic
終末論的・救済史的歴史観と千年王国運動 ― ユダヤ・キリスト教世界の伝統的観念としての終末論、中世における終末論解釈の変容、フィオーレのヨアキムの「黙示録」解釈、中世末期の千年王国運動、終末論的・救済史的歴史観と中世ヨーロッパの歴史認識
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第7回】 授業内容
Content/Topic
中世の神秘主義者たち ― ヨーロッパの神秘主義の起源、修道院文化と結びついた神秘主義、神秘主義者たちの「体験(神秘的合一)」、中世後期における神秘主義思想家たち(エックハルト、ゾイゼ)、ジャン・ジェルソンによる「神秘神学」の定義
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第8回】 授業内容
Content/Topic
カタリ派、ヴァルドー派、異端審問 ― 「カタリ派の起源」に関する近年の研究、カタリ派の世界観と「弁神論(神義論)」をめぐる問題、ヴァルドー派の出現、カトリック教会による異端審問とアルビジョワ十字軍
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第9回】 授業内容
Content/Topic
十字軍遠征とユダヤ人迫害 ― 中世キリスト教世界の《異教徒》認識と《ユダヤ人》差別、中世における《キリスト教世界とイスラーム世界の仲介者》としてのユダヤ人、十字軍遠征と中世期の《聖戦》概念、ユダヤ人迫害の拡大のメカニズム
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第10回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革(1)宗教改革およびプロテスタント教会の出現とその歴史的背景 ― 中世末期のさまざまな「改革」と宗教改革、宗教改革の舞台としての「都市」、ルネサンス人文主義(ヒューマニズム)と宗教改革との関連、エラスムスとルターの論争、ドイツにおける初期宗教改革の展開、ルターの神学思想(信仰義認論、恩寵論、律法と福音の関係をめぐる議論)
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第11回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革(2)宗教改革運動の全ヨーロッパへの拡大とその多様性 ― ヨーロッパ諸地域(スイス、フランス、オランダ、イングランド、スコットランド、北欧、東欧)への宗教改革の波及、宗教改革運動の多様性(ルター派、ツヴィングリ派、カルヴァン派、再洗礼派、プロテスタント神秘主義)、「初期宗教改革」から「諸侯の宗教改革」への変容、ヨーロッパ主権国家体制の形成と宗教改革
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第12回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革(3)宗教改革の拡大を支えた情報環境とそれが生み出した文化 ― 活版印刷技術の普及と宗教改革、宗教改革者たちの「聖書」観と聖書翻訳・出版、宗教改革を支えた多様な情報伝達手段と公論(世論)、中・近世の西方キリスト教世界の言語文化の構造(《エリートの言語》としての「ラテン語」と《民衆の言語》としての「各国語」)、「ラテン語に依拠したローマ・カトリック教会の知的ヒエラルキー」と「宗教改革者たちによる各国語を用いた民衆への情報伝達」、宗教改革と「聖像」をめぐる問題、プロテスタント地域とカトリック地域の文化的相違
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第13回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革(4)カトリックの対抗宗教改革と世界宣教(アメリカ、アフリカ、アジア、日本) ― 中世末期の公会議主義、「カトリック改革」と「対抗宗教改革」、イエズス会の活動、対抗宗教改革期の国際情勢と非ヨーロッパ地域でのカトリック宣教の展開、「アメリカ大陸の植民地化」とキリスト教布教、「サハラ以南のアフリカ」におけるカトリック宣教、大航海時代のヨーロッパの神学者たちの「日本」認識、「日本からヨーロッパへの天正遣欧使節と慶長遣欧使節の派遣」をめぐる諸問題、カトリックの世界宣教観とプロテスタント諸派の世界宣教観の比較
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第14回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革(5)宗派(教派)対立と宗教戦争、中・近世ヨーロッパの《魔女》像と魔女狩り ― カトリックとプロテスタント諸派の対立の激化、宗派(教派)対立と強制改宗、16世紀ヨーロッパの宗教戦争(シュマルカルデン戦争、ユグノー戦争、オランダ独立戦争)、「宗教戦争の拡大」のメカニズム、中世末期における「魔女」イメージの変容と16世紀における「魔女迫害の激化」のメカニズム
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第15回】 授業内容
Content/Topic
授業の総括と補足説明。「まとめ資料の提示」と「オンデマンドでの解説(音声のみ)」によって授業を実施する。資料の公開日については、事前にコースニュースで告知する。
予習内容
Preparation for Class
これまでの授業内容を復習する。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深めるとともに、学期末レポートを作成する。 目安時間
Hours
2 時間
授業に関する注意事項   
Remarks for Class
・各回の授業終了後に「授業の感想」を「レポート」としてオンラインで提出すること。「レポート」に記された受講者からの質問に対しては、返答・コメントを行う。
・manabaで配信する教材をインターネット上で流布させることは不可。
・授業時には、manabaで配信した「レジュメ」に解説を付けるかたちで、講義を進めてゆきます。教場では、教室のスクリーンに「レジュメ」の内容を映し出しながら授業を行いますが、ノート型PCやタブレットPCを教室に持参することが可能であれば、PCの画面に「レジュメ」を表示しながら、講義を聞いてください。
・授業では、中世~宗教改革時代のヨーロッパの宗教について、重要な邦訳史料(未邦訳史料の場合には教員による訳文)や図像史料を紹介しつつ、それぞれの時代の歴史的・文化的背景を踏まえながら考察してゆきます。特別の基礎知識がなくても受講は可能ですが、講義内容を正確に理解するためには、各回のテーマに関して参考文献を用いて知識を深めることが必要です。
・講義内容は、受講者の関心に応じて、部分的に変更することもあります。
教科書   Texts 使用しない。
参考書   Reference Books 特になし。それぞれの講義箇所についての参考文献は、各回のレジュメで紹介する。
課題フィードバック方法区分
Assignment Feedback Method
授業時間外にmanabaで行う
課題フィードバック方法内容
Assignment Feedback Method Content
成績評価の基準   
Evaluation Criteria
授業への参加度(各回の授業終了後に提出するレポートの評価を含む)50%、学期末レポート50%
関連URL   Related URL
備考   Notes
添付ファイルの注意事項   Notice
更新日時   Date of  Update 2024年02月16日 22時55分52秒