シラバス情報

授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード   Course Code 12S2027000
授業開講年度   Year of Class 2024年度
授業形態   Course Mode 講義(対面授業)
授業名称   Class Name TCKNO952宗教学概論2/宗教学概論2
テーマ   Theme
科目名   Name of Subject TCKNO952宗教学概論2
英字科目名
English Name of Subject
Introduction to Science of Religion 2
科目単位数   Credit 2
履修期   Term 秋学期
教員氏名   Name of Teacher 久山 道彦
開講キャンパス   Campus 白金
曜時   Day and Period 火曜3時限(秋学期)
授業概要   Course Description 科学時代に生きる現代人にとって,宗教は「非科学的で,危険で,怖い」ものなのでしょうか?逆に,科学は「客観的で,安心で,信頼できる」ものなのでしょうか?伝統的な諸宗教の経験が希薄になった現代人にとり,宗教と科学の関係を,冷静に,歴史的に吟味してみることは重要な意味をもつと考えられます。宗教についても科学についても,無知であったり誤解したりしたままで良いはずはありません。宗教のもつ「意味の世界」が果たしてきた役割や歴史的事実を踏まえて,生命倫理・環境倫理・戦争倫理などの現代社会の重要問題を考察する上で役に立つ「宗教学的視点」を獲得していきましょう。
到達目標   Class Goals 春学期に学んだ現代宗教学の方法論を用いながら,秋学期は,具体的に,近代科学とそれを生み出したキリスト教との関係を学んでいきましょう。宗教と科学を,単純に対立的に捉えているだけで良いものか,歴史的に考察していきます。様々な宗教批判を吟味しながら,啓蒙主義的偏見を除き,現代的な問題意識から宗教と科学の関係を,人間存在を全体的に問う作業をしていきましょう。
この授業計画を上手に活用しましょう。
各回の授業内容を,課題文献(教科書の数頁)を読んで理解し,疑問をもって授業に出席できれば,最高!
各回の予習内容にある設問に対して,あらかじめ自分なりの解答を準備して授業に臨んでくれたら嬉しいよ!授業内容に興味が湧いたら,復習内容にある参考図書を手にとったり,ビデオを観たりして,自分で学んで良いんだよ!
授業言語   Language 日本語
アクティブ・ラーニング   Active Learning アクティブ・ラーニング対応
授業計画
Daily Class Schedule
【第1回】 授業内容
Content/Topic
「「宗教」って非科学的? 宗教と科学の関係を歴史的に吟味しましょう。
宗教と呪術の関係:「宗教=呪術」か?・宗教の2要素・宗教の疑似科学化
呪術と科学の関係:呪術と科学の類似性・呪術の疑似科学化・日常世界の3要素
宗教・呪術・科学の関係:宗教と科学の未分化と分化・宗教と科学の分裂と無関係化・
            宗教と科学の再統合
予習内容
Preparation for Class
宗教と呪術を同一視して良いのかな?   
呪術と科学って,全く別物なの?
宗教・呪術・科学の関係は歴史的には,どうなってるの?
課題文献:『宗教学入門』 棚次正和・山中弘編著 ミネルヴァ書房 2005年 p.154,118-124,186
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考図書:『シンボル形式の哲学』 カッシーラー著 岩波文庫
     『金枝篇』 フレーザー著 岩波文庫
     『聖と俗』 M. エリアーデ著 法政大学出版局
      『聖なるもの』 R. オットー著 岩波文庫
   『聖なるもの俗なるもの』 立川武蔵著 講談社
     『古代ユダヤ教』 M. ウェーバー著 岩波文庫
  『知と信の構造―科学と宗教のコスモロジー』 稲垣久和著 ヨルダン社
   『岩波講座 宗教と科学』 全10巻+別巻2冊 岩波書店
    『呪術宗教の世界』 速水侑著 はなわ新書
目安時間
Hours
2 時間
【第2回】 授業内容
Content/Topic
「旧約聖書の創造論」ってどんなこと?:
環境破壊の原因とキリスト教:創世記の記事が「環境破壊」を引き起こしたの?
旧約聖書の創造論:創造の善性・人間の創造・創造論の目的
前提としての契約論:契約思想・自然的神関係との相違・神―人間関係と人間―人間関係・
          歴史を支配する神
創造論の問題点:非科学性・人間中心主義・ロゴス=男性中心主義
予習内容
Preparation for Class
宗教と科学を論じるのに,何でキリスト教の正典の天地創造の物語が問題になるんでしょう?
「神が人間を創造した」ってことは,いったい何を意味しているんでしょう?
創造物語が,「神の救済行為の約束の正当化である」って,どういうことなの?
環境破壊の原因が,旧約聖書の創造論にあるって本当?
課題文献:『宗教学入門』 pp. 19-26, 167-172, 205-207, 215-216, 161-168
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考図書:『旧約聖書神学Ⅰ・Ⅱ』 G.フォン・ラート著 日本基督教団出版局 
     『機械と神 生態学的危機の歴史的根源』 リン・ホワイト著 みすず書房
     『創造における神 生態論的創造論』 J.モルトマン著 新教出版社
     『魔女と聖女』 池上俊一著 講談社現代新書
目安時間
Hours
2 時間
【第3回】 授業内容
Content/Topic
「イエスの福音と終末論」が何で今,重要なの?:時間と宇宙と人間の問題
イエスの生涯と中心思想:「神の国」と福音・黙示文学と宇宙の歴史化
キリスト教と科学:キリスト教の歴史観と科学的宇宙論の一致・人間と自然の連帯性
予習内容
Preparation for Class
ナザレのイエスという一人のユダヤ人の若者の思想と,現代の世界が何で関係するの?
「イエスは道徳の教師でなく,道徳を転換させた人物である」って,どういういうことなの?
イエスの説いた「神の国の接近」が宇宙論的に拡張されたって,その後,何にも起こらなかったでしょ?
聖書の歴史観と近代科学の関係が,いまいち良くわからない。無関係じゃないの?
課題文献:『宗教学入門』 pp. 27-47  新約聖書のマルコによる福音書1:15, 10:24-25, 13:24-26
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考図書:『総説 新約聖書』 日本基督教団出版局
     『黙示文学入門』 W.シュミットハルス著 教文館
     『新約聖書の中心的使信』 J.エレミアス著 新教出版
     『イエスとその時代』 荒井献著 岩波新書
     『イエスのたとえ物語』 W.ハルニッシュ著 日本基督教団出版局
目安時間
Hours
2 時間
【第4回】 授業内容
Content/Topic
DVD鑑賞『Jesus 奇跡の生涯』:「キリスト教」の発足点を考える
ロジャー・ヤング監督 ジェレミー・シスト主演 2004年
21世紀に製作されたイエスに関する映画の視点に注意しよう!
予習内容
Preparation for Class
ローマ帝国支配下の地中海東岸で,なぜ一人の大工の息子の若者が行った活動が
世界を変えたのでしょうか?
そもそもイエスの主張はいったいどのようなものだったのでしょうか?
それは当時の人々にとってどのような意味があったのでしょうか?
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考映画:『バラバ』 リチャード・フライシャー監督 アンソニー・クイン主演 1962年
     『偉大な生涯の物語』 ジョージ・スティーヴンス監督
       マックス・フォン・シドー主演 1965年
     『ジーザス・クライスト・スーパースター』 ノーマン・ジェイソン監督
       テッド・ニーリー主演 1973年
     『ナザレのイエス』 フランコ・ゼフィレッリ監督 ロバート・パウエル主演 1977年
     『ジーザス』 ジョン・ヘイマン監督 ブライアン・ディーコン主演 1979年
     『最後の誘惑』 マーチン・スコセッシ監督 ウィレム・デュフォー主演 1988年
     『パッション』 メル・ギブソン監督 ジム・カヴィーゼル主演 2004年
     『サン・オブ・ゴッド』 クリストファー・スベンサー監督
       ディオゴ・モルガド主演 2014年
目安時間
Hours
2 時間
【第5回】 授業内容
Content/Topic
「無からの創造」ってどんなこと?:近代科学発生の源を探る
DVD鑑賞 『宗教の最前線:神の本性―苦悩・悪の存在』 仏教・キリスト教・イスラーム
   創造論の展開と「無からの創造Creatio ex nihilo」:ヘブライズムとヘレニズム・
   プラトンの創造論・聖書的「無からの創造」・「無からの創造」の意味
「無からの創造」と自然科学:自然科学の前提・キリスト教と近代世界
 悪の問題:善悪二元論(グノーシス教とマニ教)・流出説(新プラトン主義)・
      キリスト教の創造論
予習内容
Preparation for Class
「無からの創造」って,いったい何が言いたい教説なの?
自然を科学的に探究する大前提って,神と関係あるのかな?
善にして義なる神がこの世を創造したのなら,何でこの世に悪が存在するの?
課題文献:『宗教学入門』 pp. 10-18, 226-233
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考図書:『キリスト教における存在論の問題』(有賀鐵太郎著作集4巻) 有賀鐵太郎著 創文社 
     『近代科学の源流』 伊藤俊太郎著 中央公論社
     『アウグスティヌス講話』 山田晶著 講談社
目安時間
Hours
2 時間
【第6回】 授業内容
Content/Topic
「12世紀のルネッサンス」って何で大切なの?:近代科学理解の鍵としての中世自然神学
十二世紀ルネサンスの意義:中世は暗黒時代か?・十二世紀ルネサンス・中世科学
中世の自然神学:信仰と理性の関係・神の存在論証明・論証の問題と「神の死」
予習内容
Preparation for Class
「中世=暗黒時代」って,すごい偏見だって知ってた?
アラビア科学の翻訳がヨーロッパ科学の発展に大きな影響を与えたことを知ってたかな?
科学研究者の多くが,聖職者だったのは「常識」なんだって?
「神の存在証明」が,何で近代科学と関係するの?
課題文献:『宗教学入門』 pp. 48-58
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考図書:『十二世紀ルネサンス』 伊藤俊太郎著 岩波書店
     『在りて在る者』 山田晶著 創文社
     『プロスロギオン』 アンセルムス著 岩波文庫
     『神の存在論的証明』 ヘンリッヒ著 法政大学出版局
目安時間
Hours
2 時間
【第7回】 授業内容
Content/Topic
「ガリレオ裁判」って酷くない?:科学革命の巨人達自身の考えとは?
ガリレオ裁判:ガリレオの希望的観測・陰謀説
「自然という書物」の探究:自然科学研究の宗教的意義・ケプラーとガリレオ・
             ニュートンから現代へ
近代社会とキリスト教,そして啓蒙主義:ヨーロッパ近代社会成立とキリスト教・
                   啓蒙主義と聖俗革命
予習内容
Preparation for Class
ガリレオ裁判って,本当に「宗教と科学の対立」なの?
そもそもガリレオ自身は,そう考えていたの?
神の意図が聖書と自然という二つの書物から読み取れるんなら,科学者って神学者じゃん?
「神―世界―人間」の枠組みが「世界―人間」の枠組みに変化したら,どうなったの?
課題文献:『宗教学入門』 pp. 200-205
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考文献:『科学者とキリスト教』 渡辺正雄著 講談社ブルーバックス
     『プリンキピア』 ニュートン著 中央公論社
     『ガリレオ』 アンニバレ・ファントリ著 みすず書房
     『宗教と資本主義の興隆』 トーニー著 岩波文庫
     『ケプラーとガリレイ:書簡が明かす天才たちの素顔』 トーマス・デ・パドヴァ著
       白水社
     『宗教と近代科学の勃興』 ホーイカース著 すぐ書房
     『科学・哲学・信仰』 村上陽一郎著 第三文明社(レグルス文庫)
目安時間
Hours
2 時間
【第8回】 授業内容
Content/Topic
「進化論」をどう考えるの?:キリスト教の「創造論」との対立って本当なの?
進化論論争の意味:進化論の何が問題だったのか?
         キリスト教会と進化論支持者双方の感情レベルの対立による混乱と誤解を超えて
進化論か創造論か:従来の論争点・問題の真の所在
         進化は創造論の問題領域か・創造論の再解釈は可能・
         キリスト教の創造論はアリストテレスの自然学でのみ解釈されるのか?・
         創造論は事実についての科学的認識に干渉すべきか?・
         進化という事実の意味解釈における対立・
         世界システムの存立と変化を説明する試みの解答は一つか?
予習内容
Preparation for Class
「人は,もともとサルだった」という見方も,中世の自然神学から出てきたんですよね?
進化論と創造論って,二者択一の「あれかこれか」なんですか?
世界とその中で生きるもの全ての存在意義を説明する仕方は,一通りしかないのかな?
課題文献:『宗教学入門』 pp. 59-82,125-132, 252-257
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考図書:「ダーウィニズムの周辺」『岩波講座 宗教と科学2 歴史のなかの宗教と科学』所収
       八杉竜一著
  『生物進化を考える』 木村資生著 岩波新書   
  『ダーウィン』 江上生子著 清水書院
  『人間原理の宇宙論』 松田卓也著 培風館
  『進化論が変わる』 中原英臣・佐川峻著 講談社
  『宇宙はなぜあるのか―新しい物理学と神―』 デイヴィス著 岩波書店
目安時間
Hours
2 時間
【第9回】 授業内容
Content/Topic
DVD鑑賞『風の遺産』 スタンリー・クレイマー監督 スペンサー・トレイシー主演 1960年
1925年にテネシー州でおきたスコープス裁判Scopes Trial(別名「モンキー裁判Monkey Trial」)
を考える。
予習内容
Preparation for Class
アメリカで,「進化論を公立学校で教えてはいけない」という州法があったという事実を知って
いましたか?
進化論者と創造論者が対立したのは,いったい何故だったのでしょう?
課題文献:旧約聖書の箴言11章29節(これが映画の題名の聖書典拠です)
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考図書:『宗教からよむ「アメリカ」』 森孝一著 講談社選書メチエ
     『アメリカと宗教』 堀内一史著 中公新書
     『神と科学は共存できるか?』 スティーヴン・ジェイ・グールド著 日経BP社
     『進化論裁判 モンキー・ビジネス』 ナイルズ・エルドリッジ著 平河出版社
     『進化論を拒む人々―現代カリフォルニアの創造論運動』 鵜浦裕著 勁草書房
     『ダーウィンと原理主義』 メリル・ウィン・デイヴィズ著 岩波書店
目安時間
Hours
2 時間
【第10回】 授業内容
Content/Topic
「宗教と科学の関係」って具体的には? 共存するのか無関心なのか?
宗教と科学の不毛な対立:創造論の疑似科学化か科学の疑似宗教化か?
            創造論の解釈・科学万能主義というイデオロギー
宗教と科学の無関心:事実と意味の二分法のみで良いのか?科学的事実と宗教的意味の区別
宗教と科学の平和的共存の道:事実と意味の統合を必要とする現代社会・
              人間は事実だけ,意味だけで納得するのか?
              ・事実と意味の分離を超えて
予習内容
Preparation for Class
「科学は絶対正しい」なんて考えるのは,「科学教」の信者さん?
宗教と科学は,意味の世界と事実の世界という別の活動領域だなんて分けていて,それで良いの?
人間を全体として捉える観点が,何で,今,必要なんだろう?
課題文献:『宗教学入門』 pp. 143-154, 108-117
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考図書:「宗教と健康との関係」 『ティリッヒ著作集7』所収 P.ティリッヒ著 白水社
     「神学と諸科学の関係―二十世紀神学史の経過―」『偶然性と宗教』所収
       大木英夫著 ヨルダン社
     「科学と実存」 『ブルトマン著作集13』所収 R.ブルトマン著 新教出版社
     『神は妄想である―宗教との決別』 リチャード・ドーキンス著 早川書房
     『神は妄想か?―無神論原理主義とドーキンスによる神の否定』
       A. E. マクグラス・J. C. マクグラス著 教文館
目安時間
Hours
2 時間
【第11回】 授業内容
Content/Topic
「意味と事実」って別のままなの?:新しい総合的な世界観を求めないと…
DVD鑑賞 『宗教の最前線:死後の生』 仏教・キリスト教・イスラーム
還元主義を超えて:問題状況・還元主義・次元論の立場
次元論の意義と宗教:宗教の次元と意味の次元・宗教と科学
予習内容
Preparation for Class
「何か一つでもって全てが説明できる」って考え方で,人間・社会・世界・歴史が解明できるかな?
人間を色々な次元の統一体として考えるって,どういうこと?
宗教と科学の対象は違っても,人間の現実(例えば死)においては無関係ではいられないでしょ?
課題文献:『宗教学入門』 pp. 2-7, 191-196, 233-244
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考図書:『組織神学・第3巻』 P.ティリッヒ著 新教出版社
  『キリスト教倫理 Ⅲ』 K.バルト著 新教出版社
   『生命を捉えなおす 生きている状態とは何か』 清水博著 中公新書
目安時間
Hours
2 時間
【第12回】 授業内容
Content/Topic
「生命倫理」って宗教と関係ある?:医療技術の挑戦に「生命倫理」って宗教と関係ある?
DVD鑑賞 『宗教の最前線:宗教は生命倫理についてどう考えるか』
      仏教・キリスト教・イスラーム
生命倫理の問題構造:宗教と生命倫理(多岐にわたる問題群・問題の所在・本講の基本的方針)・
生命の諸次元と脳死問題(判定基準・死の意味の次元・その他の要因)
脳死問題の宗教的次元:生と死の二者択一・キリスト教における生と死の最終決定権・
日本とキリスト教世界との比較・聖書と脳死肯定論
           (K. バルトが自殺に関して展開している議論・宗教の現代的課題)
予習内容
Preparation for Class
生命倫理の問題に,医学でも法学でもない宗教が何か貢献できるの?
キリスト教が自殺を禁じているのは何故?
欧米で,脳死や臓器移植がそれほど抵抗なく認められたのは,いったい何故?
「人間の生命が絶対的であること」は,宗教的には自明ではないって,どういうこと?
課題文献:『宗教学入門』 pp. 213-215, 217
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考図書:『生物医学時代の生と死』 福本英子著 技術と人間
     『脳死論議のまとめ』 中山研一著 成文社
     『生命倫理の現在』 塚崎智・加茂直樹編 世界思想社
     「脳死・尊厳死」 『仏教別冊4』所収 法蔵館
     『生命科学とキリスト教』 全5巻 日本基督教団出版局
     『死と歴史』 アリエス著 みすず書房
     『キリスト教倫理 Ⅲ』 K.バルト著 新教出版社
     『死ねない時代』 大村英明著 有斐閣
目安時間
Hours
2 時間
【第13回】 授業内容
Content/Topic
「環境倫理」って宗教と関係ある?:自然破壊と人間中心主義の問題
環境倫理と旧約聖書:環境倫理の問題・旧約聖書と人間中心主義
創造論批判への批判:「地の支配=地の搾取」なのか?・自然破壊と日本的なもの
「ノアのヴィジョン」:希望的観測とその破綻・宗教的ヴィジョンのリアリティ
予習内容
Preparation for Class
人間の欲望を制限する考え方は,いったいどこから出てくるのでしょうか?
人間の知識が世界を破壊するためにも使われる時,その責任はいったい誰にあるのでしょうか?
日本人は自然と調和した文化を形成してきたという主張は,歴史的に本当なのでしょうか?
旧約聖書の「洪水物語」とは,どんな意味をもっているのでしょうか?
課題文献:『宗教学入門』 pp. 215-216
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考図書:『自然に対する人間の責任』 パスモア著 岩波書店
     『新・環境倫理学のすすめ』 加藤尚武著 丸善ライブラリー
     『生態学的破局とキリスト教 魚の腹の中で』 リュートケ著 新教出版社
     『エコロジーとキリスト教』 富坂キリスト教センター編 新教出版社
目安時間
Hours
2 時間
【第14回】 授業内容
Content/Topic
「宗教戦争」って宗教が原因?:「正戦論」と戦争倫理学の問題
正戦論とは:戦いの正当化なのか戦いの制限なのか?・正戦論という理論群・
      西洋思想史における位置
戦争倫理学:戦争における宗教の役割・ファンダメンタリズムの問題・争いへの道か平和への道か?
予習内容
Preparation for Class
キリスト教とか一神教って,なんだか好戦的な感じがするんですけど…
一方で困っている人を助けながら,一方で自分たちの信心のために戦うって矛盾してません?
課題文献::『宗教学入門』 pp. 169-170, 172-173, 196-197, 200-203, 208-210
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考図書:『旧約聖書と戦争 士師の戦いは聖戦か?』 佐々木哲夫著
     『聖書と殺戮の歴史 ヨシュアと士師の時代』 秦剛平著
     『キリスト教は戦争好きか キリスト教的思考入門』 土井健司著
     『聖書と戦争 旧約聖書における戦争の問題 改訂版』 P. C. クレイギ著
     『聖書が告げる社会正義 神はすべての人の救いのために「貧しい人」の側に立つ』
 本田哲郎著
     『古代イスラエルにおける聖戦』 G. フォン・ラート著
目安時間
Hours
2 時間
【第15回】 授業内容
Content/Topic
特別学修回:秋学期の総マトメと秋学期末レポ―ト試験準備
学期末試験の範囲は,今学期の授業内容の全て(教科書の内容と授業内容のすべてを含む)です。
難しくはないので,今学期に,自分が学んだことが,充分に理解できているかを確認しましょう。
予習内容
Preparation for Class
教科書とこれまでの授業プリントを何度も何度も読み返しましょう。
人名や事項に注意して,それらの関連をおさえましょう。
映像などの印象を思い出して,ポイントを確認しましょう。
目安時間
Hours
4 時間
復習内容
Review of Class
この授業の履修前と履修後では,「宗教と科学の関係」について自分の考えに変化はありましたか?
それはどのような点で,何故そのような変化が生じたのでしょうか?
目安時間
Hours
2 時間
授業に関する注意事項   
Remarks for Class
秋学期も,この授業計画(シラバス)を上手に利用して,毎回のテーマを楽しみながら
学んでいきましょう。
できるだけ授業を休まないようにしましょう。課題に答えることで,学習が深まります。
映像教材もあるので,お楽しみに!
教科書   Texts 『宗教学入門』 棚次正和・山中弘著 ミネルヴァ書房 2005年
参考書   Reference Books 『岩波講座 宗教と科学2 歴史の中の宗教と科学』 岩波書店
『科学者とキリスト教』 渡辺正雄著 講談社ブルーバックス
『キリスト教と生命倫理』 東方敬信編 日本基督教団出版局
課題フィードバック方法区分
Assignment Feedback Method
授業時間内に講評・解説を行う
課題フィードバック方法内容
Assignment Feedback Method Content
成績評価の基準   
Evaluation Criteria
授業に積極的に参加(出席)し,課題に答え,学期末試験を受けること。
各回の参加(出席)と課題を評価した平常点と学期末試験の評価に,自由提出のレポートを
+αとして加算し,各人の学びの成果を総合的に評価します。評価配分は以下の予定。
平常点50%(参加20%と課題30%),学期末試験50%
関連URL   Related URL
備考   Notes 科学時代に生きる現代人にとっての「宗教」の意義を学びます。理性の吟味を避けて「信仰」に逃避して良いものでしょうか?また逆に,無批判な「科学信仰」で良いのでしょうか?「信心」をもつ人々が世界の過半数を占める現代を生き抜く知恵を持ちたいものです。
添付ファイルの注意事項   Notice
更新日時   Date of  Update 2024年02月16日 15時05分58秒