シラバス情報

授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード   Course Code 1CC0213001
授業開講年度   Year of Class 2024年度
授業形態   Course Mode 講義(対面授業)
授業名称   Class Name アメリカ研究A
テーマ   Theme
科目名   Name of Subject アメリカ研究A
英字科目名
English Name of Subject
American Culture A
身につく能力
Ability to be Acquired in This Class
◎=科目に最も関連する能力
〇=科目に関連する能力
知識・理解 英語圏の文学・文化の基礎知識と幅広い教養
知識・理解 英語の科学的基礎知識、応用知識
汎用的技能 グローバル化社会で使える英語の技能
汎用的技能 異文化理解と分析力
汎用的技能 課題解決の為の分析力・構想力・表現力
態度・志向性 よりよい社会の構築に結びつける志向
態度・志向性 グローバル化社会への対応能力
統合的な学習経験と創造的思考力 専門領域において新たに問題提起する力
統合的な学習経験と創造的思考力 専門領域において解決を提案する力
科目単位数   Credit 2
履修期   Term 春学期
教員氏名   Name of Teacher 平尾 吉直
開講キャンパス   Campus 白金
曜時   Day and Period 月曜4時限(春学期)
授業概要   Course Description 白人警官による黒人男性の殺害などをきっかけとして、「ブラック・ライヴズ・マター」(BLM)が注目を集めている。BIMの意味するところが、黒人の命「が」大切なのか、黒人の命「も」大切なのかといった議論の答えが、後者であることは、米国史上、もっとも命を蔑ろにされてきた集団のひとつであるアフリカ系アメリカ人の抑圧と抵抗が、フェミニズムとともに、他のエスニック・グループやLGBTといった抵抗するマイノリティの運動を先導してきたことからも明らかである。その意味でも、アフリカ系アメリカ人の歴史は米国史の、彼らの文化はアメリカ文化の傍流ではなく、むしろそれを抜きにしては考えられない大きな幹であり、アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を、奴隷貿易からBLM運動まで、あるいは、スピリチュアルからヒップホップまで体系的に学ぶことは、アメリカ文化を学ぶものにとって、有意であるばかりか、必須であると言えよう。
到達目標   Class Goals アフリカ系アメリカ人の歴史と文化を理解すること
授業言語   Language 日本語
アクティブ・ラーニング   Active Learning アクティブ・ラーニング非対応
授業計画
Daily Class Schedule
【第1回】 授業内容
Content/Topic
【第1回】イントロダクション:アフリカ系アメリカ人とは誰か?
など。アフリカ系アメリカ人とは何者か?あるいは黒人とは?肌の色が黒ければ黒人なのか?あるいはアフリカ系アメリカ人とコーカソイド(白人)の先祖を持つ者は、アフリカ系アメリカ人なのか?そもそも作られた概念である「人種」が、外見、制度、先祖の出自、個人の選択などの様々な要素によって成り立っていることを明らかにする。
予習内容
Preparation for Class
アフリカ系アメリカ人とは、あるいは黒人とは何ものなのか、どのように定義できるか、自分なりの考えをまとめておく。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
アフリカ系アメリカ人、あるいは黒人を仮に定義するさまざまな要素をまとめておく。 目安時間
Hours
2 時間
【第2回】 授業内容
Content/Topic
【第2回】奴隷貿易1 テレビ映画『ルーツ』
遠く離れた南北アメリカ大陸・カリブ海に、アフリカ系の人々が多く存在するのは中間航路の奴隷貿易が存在したからである。中間航路の奴隷貿易が過去の多くの奴隷制との違いは、奴隷が人間ではなく、モノ、商品として扱われていた点にある。奴隷貿易の悲惨さを、ジュリアス・レスター『奴隷とは』(岩波新書)などに収録された元奴隷の証言をもとに検証。最後に、アレックス・ヘイリー原作のテレビドラマ『ルーツ』から奴隷貿易を描いたシーンを見る。
予習内容
Preparation for Class
中間航路の奴隷貿易について、中学高校で習った基本的なことをまとめておく。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
元奴隷の証言についてまとめておく。ジュリアス・レスター『奴隷とは』が手に入れば、授業で紹介した以外の証言も目を通すことが望ましい。 目安時間
Hours
2 時間
【第3回】 授業内容
Content/Topic
【第3回】奴隷貿易2 奴隷貿易の現実
前回に引き続き、アレック・ヘイリー原作のテレビドラマ『ルーツ』を見る。
予習内容
Preparation for Class
アレック・ヘイリーの原作『ルーツ』を読み始めておくと、望ましい。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
予習に引き続き、『ルーツ』の原作に目を通せると、望ましい。 目安時間
Hours
2 時間
【第4回】 授業内容
Content/Topic
【第4回】奴隷貿易3 三角貿易と奴隷貿易の歴史
奴隷貿易の背景にあった三角貿易など。アメリカにおける奴隷制の歴史が、民主主義の骨格である議会によって行われたこと、したがって、アフリカ系アメリカ人の歴史はアメリカ史の傍流ではなく、無視することのできない本流であること。
予習内容
Preparation for Class
植民地初期~独立ぐらいまでのアメリカの歴史を見直しておくことが望ましい。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
アメリカの歴史において、奴隷制がいかに重要な位置を占めていたかを、自分なりにまとめておく。 目安時間
Hours
2 時間
【第5回】 授業内容
Content/Topic
【第5回】奴隷制 大農場(プランテーション)での生活(1)
奴隷貿易の結果、多くの奴隷たちが連れていかれた南部の大農場では、過酷な労働と鞭打ちが待ち構えていた。その悲惨な状況をジュリアス・レスター『奴隷とは』などを読み、元奴隷の証言をもとに検証する。また、そうした厳しい環境のなかで、奴隷たちが自分たちの文化を作り上げていったことにも注目する。
予習内容
Preparation for Class
ジュリアス・レスター『奴隷とは』が手に入れば、目を通しておくことが望ましい。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
奴隷たちのつくりあげた文化について、まとめておく。 目安時間
Hours
2 時間
【第6回】 授業内容
Content/Topic
【第6回】大農場での生活(2) テレビ映画『ルーツ』など
大農場における奴隷たちの生活について、アレックス・ヘイリー原作のテレビドラマ『ルーツ』を見て、検証する。後半では、逃亡奴隷と地下鉄道について検証する。
予習内容
Preparation for Class
アレックス・ヘイリーについて、わかることを調べておく。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
アフリカ系アメリカ人と名前の問題について、自分なりにまとめておく。例えば、マルコムXはなぜ「X]などという変わった名前なのか?リロイ・ジョーンズが、アミリ・バラカと名前を変えたのはなぜか。 目安時間
Hours
2 時間
【第7回】 授業内容
Content/Topic
【第7回】奴隷の反乱と人種間結婚
奴隷たちはさまざまな形で奴隷制に反抗したが、そのもっとも激烈な形のものが、反乱である。全米を震撼させたナット・ターナーの反乱を中心に奴隷の反乱の内実と描かれ方について検証する。後半は、人種間の結婚や性交渉について。道義的にも禁じられていたにも関わらず、白人の大農場主はしばしば、奴隷の女性と関係を持ち、性欲を満たすとともに、生まれてきた子供を奴隷にした。トーマス・ジェファーソンとハリエット・ジェイコブズの関係を取り上げながら、奴隷制時代のアメリカ南部における「特殊な家族関係」を検証する。
予習内容
Preparation for Class
ナット・ターナー、トーマス・ジェファーソンについてわかることを調べておく。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
奴隷の反乱についてまとめておく。ジェファーソンとジェイコブスの関係についてまとめておく。 目安時間
Hours
2 時間
【第8回】 授業内容
Content/Topic
【第8回】南北戦争前夜
南北戦争前夜のアメリカでは、農本主義の南部と商工業の発展に向かう北部があらゆる点で対立を深めていた。とりわけ、開拓地が州に昇格するたびに、上院の議席数が増えるため、新州が奴隷州になるか自由州になるかが問題になった。そのとき交渉の材料に使われたのが、逃亡奴隷法など、奴隷をめぐる状況だった。
予習内容
Preparation for Class
南北戦争に至るまでの歴史を見直しておく。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
逃亡奴隷法が、厳格なものになる背景にはどんなことがあったか。あるいは、ジョン・ブラウンが反乱を起こす決意を固めるには、どんなことがあったのか、などについてまとめておく。 目安時間
Hours
2 時間
【第9回】 授業内容
Content/Topic
【第9回】南部再建期
南北戦争後に奴隷制のない南部をつくろうとした、「南部再建」の動きと人種差別主義者の反動、さらに再建期の終了と、ジム・クロウ法の整備まで。
予習内容
Preparation for Class
南部再建期、ジム・クロウ法、ジョン・ブラウンについて、わかることを調べておく。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業の内容について、まとめておく。特に、予習で調べたことがどのように関係しているかについて、自分なりの考えをまとめておく。 目安時間
Hours
2 時間
【第10回】 授業内容
Content/Topic
【第10回】グリフィス監督の映画『国民の創生』(1)
D.W.グリフィス監督の映画『国民の創生』は、当時の映画のテクニックを駆使したスペクタクル長編として、映画史に残る作品である。同時に、この作品は南北戦争前後のアメリカ南部を舞台に、クー・クラックス・クランを賛美した問題作でもある。実際、この作品の影響は大きく、下火になっていたKKKは映画をきっかけに息を吹き返した。作品のなかで人種差別がどのように正当化されているか、メディア・リテラシー的な角度から批判的に検証する。
予習内容
Preparation for Class
『国民の創生』に至るまでの映画史を一通り調べておく。リミュエール兄弟、『大列車強盗』など。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
『国民の創生』における黒人や混血の否定的なイメージについてまとめておこう。 目安時間
Hours
2 時間
【第11回】 授業内容
Content/Topic
【第11回】グリフィス監督の映画『国民の創生』(2)
前回に引き続き、『国民の創生』を鑑賞する。
予習内容
Preparation for Class
『国民の創生』に対する反響について調べてみよう。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
『国民の創生』では、アメリカ南部と北部の白人同士の和解が、アフリカ系アメリカ人に否定的なイメージを与えることで成り立っていることを、内容に即してまとめてみよう。 目安時間
Hours
2 時間
【第12回】 授業内容
Content/Topic
【第12回】オスカー・ミショー監督の映画『シンボル・オヴ・アンコンカード』
グイフィスと同じKKKなどの題材を扱いながら、アフリカ系アメリカ人の視点からまったく違う映画をつくった、黒人映画監督の先駆けオスカー・ミショー。授業ではミショーとグリフィスの作品を比較しながら、創世期のアフリカ系映画監督を紹介する。
予習内容
Preparation for Class
井上一馬『ブラック・ムービー~アメリカ映画と黒人社会』(講談社現代新書)などを読んで、アフリカ系アメリカ人の映画について予習しておくことが望ましい。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
グリフィスとミショーの視点の違いについて、まとめておこう。 目安時間
Hours
2 時間
【第13回】 授業内容
Content/Topic
【第13回】アフリカ系アメリカ人の音楽・芸能(19世紀~20世紀初頭)
奴隷制時代のスピリチュアルやワークソングにはじまり、黒人を嘲笑する芸能であるブラック・フェイス・ミンストレル、奴隷解放以後の新しいジャンルであるジャズ、ブルースの誕生などについて扱う。
予習内容
Preparation for Class
ブルースやジャズの歴史については、多くの概説書が出ている。また、最近はYouTubeなどで貴重な録音を聞くこともできるので、授業前に見ておくとよい。授業でも紹介するが、それはごく一部である。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
初期のアフリカ系アメリカ人の芸能や音楽が、どのように現代につながっているのか、自分なりに考えてみよう。このテーマは後期の授業でも折を見て触れていく。 目安時間
Hours
2 時間
【第14回】 授業内容
Content/Topic
【第14回】アフリカ系アメリカ人の文学 奴隷制時代~19世紀
奴隷体験記、フィリス・ホィートリ―の詩、ウィリアム・ウェルズ・ブラウンの小説『クローテル』など。
予習内容
Preparation for Class
奴隷体験記については、奴隷制の授業で触れているので、その時のプリントを見て予習しておく。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
日本語訳が出ているもので構わないので、一つ作品を読んでみることが望ましい。 目安時間
Hours
2 時間
【第15回】 授業内容
Content/Topic
【第15回】まとめ
奴隷解放後、アフリカ系アメリカ人は自由になったか。
予習内容
Preparation for Class
奴隷解放後、アフリカ系アメリカ人は自由になったか、現在はどうか、自分なりに考えておく。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
今学期で得た知識をまとめて、(履修する学生は)後期の授業に備えて欲しい。 目安時間
Hours
2 時間
授業に関する注意事項   
Remarks for Class
参考書にあげた本はアフリカ系アメリカ人の歴史を判りやすくまとめた本です。読んでおくといいでしょう。
教科書   Texts 授業内でプリントを配布(同時にmanabaにアップロード)します。
参考書   Reference Books 猿谷要『歴史物語アフリカ系アメリカ人』(朝日選書)
本田創造『アメリカ黒人の歴史』(岩波新書)
課題フィードバック方法区分
Assignment Feedback Method
授業時間外にmanabaで行う
課題フィードバック方法内容
Assignment Feedback Method Content
成績評価の基準   
Evaluation Criteria
学期末にレポート(3000字以上、19世紀までのアフリカ系アメリカ人について)を提出してもらいます。出席は大前提です。
授業への参加度50%、レポート50%
関連URL   Related URL
備考   Notes
添付ファイルの注意事項   Notice
更新日時   Date of  Update 2024年03月19日 15時00分31秒