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授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード   Course Code 1CF0066002
授業開講年度   Year of Class 2024年度
授業形態   Course Mode 講義(対面授業)
授業名称   Class Name フランス語圏文化A
テーマ   Theme
科目名   Name of Subject フランス語圏文化A
英字科目名
English Name of Subject
Cultural studies of francophonie A
科目単位数   Credit 2
履修期   Term 春学期
教員氏名   Name of Teacher 熊谷 謙介
開講キャンパス   Campus 白金
曜時   Day and Period 火曜3時限(春学期)
授業概要   Course Description  今年度は通年で「文学と死の表象」について論じる。春学期では演劇における「亡霊」について、秋学期では詩における「喪」の問題に焦点を当てることで、さまざまな地域、時代の人々が死についてどのように想像してきたのかを一緒に考えていきたい。今回は特に、トラウマ後という問題に対する文学の可能性に注目する予定である。心的外傷後ストレス障害(PTSD)だけでなく、心的外傷後成長、レジリエンスという問題も扱いたい。
 ギリシャ演劇からシェイクスピア、ホラー映画に至るまで、舞台・映像芸術に亡霊はとりついていると言って良いほどである。信仰心が薄らいだ現代においても舞台上に亡霊が登場するのは、そこに芸術の大きな可能性があるからなのではないか? そして死が見えにくくなっている現代にこそ、亡霊が想念として現れるのではないか? この授業では亡霊の表象を通じて死の問題を考える。
到達目標   Class Goals ①授業で提示された内容について議論ができるようになること、②文学作品を分析するレポートの技法を身につけること、③多様な作品に触れて自分の考えを相対化し、更新していくことが達成目標となります。
授業言語   Language 日本語
アクティブ・ラーニング   Active Learning アクティブ・ラーニング対応
授業計画
Daily Class Schedule
【第1回】 授業内容
Content/Topic
イントロダクション―亡霊が棲む舞台
予習内容
Preparation for Class
亡霊が出てくる作品を、レポートの分析対象となることを前提に探してみる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業で扱われた作品の全体を見て、その背景を調査する。 目安時間
Hours
2 時間
【第2回】 授業内容
Content/Topic
演技は死を招く?―ジャン・ジュネの演劇と死
予習内容
Preparation for Class
ジュネの生涯と作品のあらましを調べてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
『女中たち』の全編を読んでみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第3回】 授業内容
Content/Topic
アウシュヴィッツを表現できるか?
予習内容
Preparation for Class
「アウシュヴィッツ」に象徴されるユダヤ人等の迫害の歴史を調べてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
アウシュヴィッツをテーマとした作品を読んだり見たりする。 目安時間
Hours
2 時間
【第4回】 授業内容
Content/Topic
トラウマを生きること、表現すること―クロード・ランズマン『ショアー』
予習内容
Preparation for Class
「トラウマ」「PTSD」等の言葉の意味を調べてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
『ショアー』について、授業で紹介した部分以外も見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第5回】 授業内容
Content/Topic
アウシュヴィッツの死角―『Hiroshima mon amour』と「見えない」もの
予習内容
Preparation for Class
「ホロコースト」「ショアー」「ジェノサイド」の言葉の意味と違いを調べてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
『Hiroshima mon amour』について、授業で紹介した部分以外も見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第6回】 授業内容
Content/Topic
人間の不完全なコピー・ロボット?――人形芸術の系譜
予習内容
Preparation for Class
人形が出てくる作品を探し、なぜ人形がモチーフになっているのかを考えてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
ヤン・シュヴァンクマイエルなどの人形をモチーフとした作品について、授業で紹介した作品以外も見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第7回】 授業内容
Content/Topic
朽ちていく生命としての人形―カントール『死の教室』
予習内容
Preparation for Class
人形と死のテーマがなぜ関係するのかを考えてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
部屋などの閉鎖空間が舞台となった作品を探して見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第8回】 授業内容
Content/Topic
愛する死者を見ることはできるか?―オルフェウスの神話
予習内容
Preparation for Class
オルフェウスの神話について調べてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
コクトー『オルフェ』、あるいはマルセル・カミュ『黒いオルフェ』について、授業で紹介した部分以外も見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第9回】 授業内容
Content/Topic
死者との宴―ドン・ファンの神話
予習内容
Preparation for Class
ドン・ファン(ドン・ジュアン)の物語について調べてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
モリエール『ドン・ジュアン』、あるいはモーツァルト『ドン・ジョバンニ』を読んだり見てみたりする。 目安時間
Hours
2 時間
【第10回】 授業内容
Content/Topic
亡霊との遭遇―能が描く「物狂い」の世界
予習内容
Preparation for Class
能の物語を一つでも調べてみる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
能の作品を、授業で指摘したモチーフを意識しながら見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第11回】 授業内容
Content/Topic
狂気、犯罪、救済―現代における「能」の意味とは?
予習内容
Preparation for Class
能と成仏の関係について調べてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業で紹介した三島由紀夫『葵上』、あるいは野田秀樹『ザ・ダイバー』の全編を読む。 目安時間
Hours
2 時間
【第12回】 授業内容
Content/Topic
亡霊的メランコリー―シェイクスピア『ハムレット』
予習内容
Preparation for Class
シェイクスピアの作品を戯曲でも映画でも読んだり見てみたりする。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
『ハムレット』について、授業で紹介した部分以外も見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第13回】 授業内容
Content/Topic
よみがえる彫像の「おはなし」―シェイクスピア『冬物語』とロメール
予習内容
Preparation for Class
ロメールの作品を一つ見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
シェイクスピア『冬物語』を戯曲でも映画でも読んだり見てみたりする。 目安時間
Hours
2 時間
【第14回】 授業内容
Content/Topic
カタストロフ後の世界を生きる―ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ、ベケット
予習内容
Preparation for Class
カタストロフをテーマとした作品を探し、どのように表現されているかを考えてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
ヒロシマやナガサキをモチーフにした作品を読んだり見てみたりする。 目安時間
Hours
2 時間
【第15回】 授業内容
Content/Topic
前期のまとめ
予習内容
Preparation for Class
前期全体のポイントを振り返る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
最終版のレポートを作成する。 目安時間
Hours
2 時間
授業に関する注意事項   
Remarks for Class
各回、授業の最後にコメントペーパーを書いてもらい、議論を深める予定です。また各学期ごとの課題は、中間レポート(7月上旬を予定)⇒アドヴァイス⇒最終レポートとして学期末に提出してもらうことを考えています。みなさんには、前もって参考文献を読んだり、ネット上でもどういった形でも、実際に作品に接することを求めています。
教科書   Texts プリントを配布します。
参考書   Reference Books 河合祥一郎編『幽霊学入門』新書館、2010年。
宮地尚子『トラウマ』岩波新書、2013年。
ヤスミンコ・ハリロビッチ『ぼくたちは戦場で育った サラエボ1992-1995』角田光代・千田善訳、集英社インターナショナル、2015年。
課題フィードバック方法区分
Assignment Feedback Method
授業時間内に講評・解説を行い、授業時間外はmanabaで行う
課題フィードバック方法内容
Assignment Feedback Method Content
成績評価の基準   
Evaluation Criteria
授業への参加度(コメントペーパーなど)50%、レポート50%。
関連URL   Related URL
備考   Notes この授業ではフランス演劇を中心に扱いますが、その他の地域の作品や映像作品にも触れます。また、文学・芸術を論ずる上で基礎となる、文化や社会の問題にもアプローチします。フランス語の知識は必須ではないので、他学部・他学科の学生も積極的に履修してください。
添付ファイルの注意事項   Notice
更新日時   Date of  Update 2024年03月19日 15時00分32秒