シラバス情報

授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード   Course Code 1CF0067001
授業開講年度   Year of Class 2024年度
授業形態   Course Mode 講義(対面授業)
授業名称   Class Name 詩と演劇B
テーマ   Theme
科目名   Name of Subject 詩と演劇B
英字科目名
English Name of Subject
Poetry and Drama B
身につく能力
Ability to be Acquired in This Class
◎=科目に最も関連する能力
〇=科目に関連する能力
知識・理解 フランス語圏の言語・文化についての広範な知識
知識・理解 フランス語圏の言語や文化についての個別的知識の習得
汎用的技能 情報収集力
汎用的技能 フランス語の実践的な運用能力及び知識をもとにした思考の相対化
態度・志向性 多様な文化のあり方を追求する姿勢
統合的な学習経験と創造的思考力 問題提起力
統合的な学習経験と創造的思考力 論理的かつ説得的見解を述べる力
科目単位数   Credit 2
履修期   Term 秋学期
教員氏名   Name of Teacher 熊谷 謙介
開講キャンパス   Campus 白金
曜時   Day and Period 火曜3時限(秋学期)
授業概要   Course Description 今年度は通年で「文学と死の表象」について論じる。春学期では演劇における「亡霊」について、秋学期では詩における「喪」の問題に焦点を当てることで、さまざまな地域、時代の人々が死についてどのように想像してきたのかを一緒に考えていきたい。今回は特に、トラウマ後という問題に対する文学の可能性に注目する予定である。心的外傷後ストレス障害(PTSD)だけでなく、心的外傷後成長、レジリエンスという問題も扱いたい。
 大切な人を失ったとき、詩人たちはどのように喪の時間を過ごすのか? そして、もし失われたものが言葉によって蘇るのであれば、喪こそ文学の始まりと考えられるのではないか? この授業ではとりわけ亡き妻を連れ戻しに地獄降りをしたオルフェウスの神話に焦点を当てて、現代の詩人にまで反復されるオルフェウス体験に迫りたい。また喪の問題を出発点にして、フランス近現代詩のエッセンスに触れる機会としたい。
到達目標   Class Goals ①授業で提示された内容について議論ができるようになること、②文学作品を分析するレポートの技法を身につけること、③多様な作品に触れて自分の考えを相対化し、更新していくことが達成目標となります。
授業言語   Language 日本語
アクティブ・ラーニング   Active Learning アクティブ・ラーニング対応
授業計画
Daily Class Schedule
【第1回】 授業内容
Content/Topic
イントロダクション―喪の詩とは?
予習内容
Preparation for Class
喪(失)や追悼をテーマとした作品を探し、どのように表現されているかを考えてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業で扱われた詩や詩集の全体を見て、詩の世界に慣れる。 目安時間
Hours
2 時間
【第2回】 授業内容
Content/Topic
日本文学における喪
予習内容
Preparation for Class
死がテーマになる日本文学の作品を読んだり見てみたりする。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
喪失と文学の密接な関係について考える。 目安時間
Hours
2 時間
【第3回】 授業内容
Content/Topic
『喪の日記』―ロラン・バルト
予習内容
Preparation for Class
日記文学の特性について考える。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
死の印象を与える写真作品を探し、見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第4回】 授業内容
Content/Topic
喪の空間としての部屋―バルト、トリュフォー、モレッティ
予習内容
Preparation for Class
トリュフォーの映画を一つ見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
モレッティ『息子の部屋』の全編を見る。 目安時間
Hours
2 時間
【第5回】 授業内容
Content/Topic
忘却の河―ミシェル・ドゥギー『尽き果てることなきものへ-喪をめぐる省察』
予習内容
Preparation for Class
「忘却の河」というモチーフを調べてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
ドゥギーの詩集あるいは福永武彦の『忘却の河』を読んでみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第6回】 授業内容
Content/Topic
追悼文という「文学」
予習内容
Preparation for Class
追悼文や弔辞を探して読んでみる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「喪の作業」と「メランコリー」について調べ、整理する。 目安時間
Hours
2 時間
【第7回】 授業内容
Content/Topic
オルフェウスの「失敗」?―バルト、ブランショ
予習内容
Preparation for Class
ロラン・バルトの批評文を一つでも読んでみる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
カフカやリルケの作品に触れる。 目安時間
Hours
2 時間
【第8回】 授業内容
Content/Topic
不在を歌う詩―マラルメ(1)
予習内容
Preparation for Class
家族を失うというモチーフの作品を探してみる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
不在を表現するという作品が成立するかどうかを考える。 目安時間
Hours
2 時間
【第9回】 授業内容
Content/Topic
言葉による「墓」―マラルメ(2)
予習内容
Preparation for Class
マラルメと彼の同時代の詩人たち(ヴェルレーヌ等)の関係について調べる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
マラルメの作品について、授業で紹介した作品以外も見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第10回】 授業内容
Content/Topic
「私には千年の歳をとったよりもたくさんの思い出がある」―ボードレール(1)
予習内容
Preparation for Class
「憂鬱」の印象を与えるアイテムや空間、天候について考えてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
ボードレールの作品について、授業で紹介した作品以外も見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第11回】 授業内容
Content/Topic
恋人たちの死―ボードレール(2)
予習内容
Preparation for Class
『悪の華』を詩集として読んでみる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
『悪の華』の最後のパート「死」の全体を読んでみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第12回】 授業内容
Content/Topic
ボヘミアンの生と死―ネルヴァル(1)
予習内容
Preparation for Class
文学的「ボヘミアン」の意味を調べてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
ネルヴァルの作品について、授業で紹介した作品以外も見てみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第13回】 授業内容
Content/Topic
夢うつつの境へ―ネルヴァル(2)
予習内容
Preparation for Class
「夢」をモチーフにした作品を探して、読んだり見たりする。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
ネルヴァル『シルヴィー』の全体を読んでみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第14回】 授業内容
Content/Topic
カタストロフと「挽歌」
予習内容
Preparation for Class
カタストロフをテーマとした詩作品を探し、死や喪がどのように表現されているかを考えてくる。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
原民喜や峠三吉の作品を通して読んでみる。 目安時間
Hours
2 時間
【第15回】 授業内容
Content/Topic
後期のまとめ
予習内容
Preparation for Class
後期全体のポイントを振り返る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
最終版のレポートを作成する。 目安時間
Hours
2 時間
授業に関する注意事項   
Remarks for Class
各回、授業の最後にコメントペーパーを書いてもらい、議論を深める予定です。また各学期ごとの課題は、中間レポート(12月末を予定)⇒アドヴァイス⇒最終レポートとして学期末に提出してもらうことを考えています。みなさんには、前もって参考文献を読んだり、ネット上でもどういった形でも、実際に作品に接することを求めています。
教科書   Texts プリントを配布します。
参考書   Reference Books 野村喜和夫『オルフェウス的主題』水声社、2008年。
小此木啓吾『対象喪失―悲しむということ』中公新書、1979年。
柳田邦男, 若松英輔, 星野智幸, 東畑開人, 平野啓一郎『悲しみとともにどう生きるか』集英社新書、2020年。
課題フィードバック方法区分
Assignment Feedback Method
授業時間内に講評・解説を行い、授業時間外はmanabaで行う
課題フィードバック方法内容
Assignment Feedback Method Content
成績評価の基準   
Evaluation Criteria
授業への参加度(コメントペーパーなど)50%、レポート50%。
関連URL   Related URL
備考   Notes この授業ではフランス詩を中心に扱いますが、その他の地域の作品や映像作品にも触れます。また、文学・芸術を論ずる上で基礎となる、文化や社会の問題にもアプローチします。他学部・他学科の学生も積極的に履修してください。
添付ファイルの注意事項   Notice
更新日時   Date of  Update 2024年03月19日 15時00分32秒