シラバス情報

授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード   Course Code 1CH0006000
授業開講年度   Year of Class 2024年度
授業形態   Course Mode 講義(対面授業)
授業名称   Class Name LAMED318メディア産業論B/マスコミュニケーション論B
テーマ   Theme
科目名   Name of Subject LAMED318メディア産業論B
英字科目名
English Name of Subject
Media Industries B
身につく能力
Ability to be Acquired in This Class
◎=科目に最も関連する能力
〇=科目に関連する能力
知識・理解 芸術・表現活動、文化・社会の基礎的教養
知識・理解 芸術に関する個別専門領域の体系的知識
汎用的技能 問題解決を提案する分析力・構想力・表現力
態度・志向性 社会志向、知的好奇心、柔軟な感性
統合的な学習経験と創造的思考力 専攻領域で新たに問題提起する力
統合的な学習経験と創造的思考力 専攻領域で新たに問題解決を提案する力
科目単位数   Credit 2
履修期   Term 秋学期
教員氏名   Name of Teacher 加藤 久仁
開講キャンパス   Campus 白金
曜時   Day and Period 火曜4時限(秋学期)
授業概要   Course Description 現代は様々なコミュニケーションとコンセンサスの能力が重視され、その違いがますます広がっていく社会です。
自分の頭の中にある考えやアイデアを他人と共有し、他人の考えも深く理解できることがますます必要になっています。
複雑化するネット社会での情報活用のあり方、優れた芸術作品の生まれるシステム、
そして豊かで実りのある生き方について考えます。

授業は【講義】と【実習】(コンテンツ提案作成等)を組み合わせて進めていきます。

【講義」(ビデオ視聴を含む)・・・
 テレビ全盛期のNHKでの編成、制作、経営等での数多くの失敗と成功をもとに、
 映画、新聞、ラジオ、テレビ、YouTube、Vtube、・・・と繰り返されるメディアの盛衰を体系化して検証し、
 豊かな情報環境とは何か、コミュニケーションの重要さ、コンセンサスの難しさについて考えます。

【実習】(コンテンツ提案作成等)・・・
 実際にコンテンツ提案をして、それを具体的にブラッシュアップしながら、
 自分の頭の中のアイデアを他人と共有し、他人の考えを理解する能力を磨きます。
 提案は個人またはチームで行い、メディア、ジャンルは問いません。
 2~3週に1回、各グループに途中経過を発表してもらい、内容のブラッシュアップを進めます。
 また、受講者の能力開発に有益と思われる課題があれば、随時募ります。

※春、秋学期共通ですので、通念の履修が望ましいです。
到達目標   Class Goals 【講義】講師の提供する最盛期のテレビ経営、制作現場での豊富な事例をもとに、

・コミュニケーションの重要さ、コンセンサスの難しさについて認識を深めます。

・複雑化するネット社会での情報活用のあり方、優れた芸術作品の生まれる環境のあり方などについて
 討論を重ね、自分なりの考えをまとめます。

・納得のいく進路選びのベースとなるような豊かで実りのある生き方について考察を深めます。

【実習】実際のコンテンツ提案作成およびそのブラッシュアップを力を合わせて進め、お互いに批評し合うことで、

・頭の中にあるイメージを共有する能力、普遍化する分析力、他人や社会に伝える自己表現力を磨き上げます。

・様々に異なった意見を集めて、ひとつの大きな形に積み上げていく力を養います。
 その際、結論は求めず、多様な考えを理解し、互いの意見を尊重して、よりよい解を求めることを重視します。

※春、秋学期共通ですので、通念の履修が望ましいです。
授業言語   Language 日本語
アクティブ・ラーニング   Active Learning アクティブ・ラーニング対応
授業計画
Daily Class Schedule
【第1回】 授業内容
Content/Topic
【講義】最も必要としている人たちに最適なタイミングで、最適なツールを使って提供するために
     ~放送とアーカイブとネット配信と海外販売~

放送局では放送したものを保管して展開するだけではなく、 保管・蓄積しておいたコンテンツを、
その目的、特性に合わせて放送、配信、海外販売などに自由自在に展開することが求められています。
多様な展開を自由自在に行うには、豊かなコンテンツと それぞれの権利情報が整っていることが必須です。
NHKでは、川口のアーカイブスに、保有番組 111万タイトル、ニュース映像905万項目
などが厳重に保管され、円滑に再活用されています。
これからの映像資産の保存と活用について、これらの実例をもとに皆で考えます。

【実習】ガイダンス・・・春学期の反省も含めてコンテンツ提案を書いてみましょう。その基本要件などを
説明し、今後の進め方とスケジュールを提示します。
予習内容
Preparation for Class
いつのものでもいいので「バタフライエフェクト」とEテレの語学講座を見ておいてください。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
その日の講義、実習で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
評価対象になりますので、必ず期日を守って、学習システム「manaba」に提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第2回】 授業内容
Content/Topic
【講義】なぜ、定曜定時に連続ドラマを放送しているのか ~定時枠と特集枠~

定時番組、定時編成というのは、同じ曜日の同じ時間に同じ番組を放送するという視聴者との約束による
特殊な編成です。
しかし、本来は瞬間、瞬間に何を放送するかという鋭い緊張感のもとに編成されていくべきもの。
「定曜定時」という編成が現代の感覚とズレ始めているのではないか考えます。

【実習】提案募集・・・テーマや要件を絞って次週までにコンテンツ提案を各自提出してもらいます。
予習内容
Preparation for Class
各自コンテンツ提案を提出してください。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
講義、実習で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第3回】 授業内容
Content/Topic
【講義】幼児向け番組はなぜNHKでしか放送していないのか

かつては各民放に「おはよう子どもショー」「ひらけポンキッキ」などのこども番組がありました。
今ではアニメなど少数の番組を除いて子供向け番組はEテレでしか放送されていません。
どうしてこういう状況になったのか、NHKの使命、民放の戦略など多角的に検証します。

【実習】各自で提案を検討します。
予習内容
Preparation for Class
いつでもいいですからNHK Eテレの平日午後4~6時台の番組を見ておいてください。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
講義、実習で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第4回】 授業内容
Content/Topic
【講義】NHK予算はなぜ国会で審議されるのか ~放送受信料とNHK・民放二元体制について~

「民放はただなのに、どうしてNHKにはお金を払うの?」という疑問をよく聞きます。
NHKは受信料、民放はCM。間接的に民放にも我々はお金を払っています。
戦後できたNHK・民放の二元体制について、今の時代状況の中で存続すべきものは何か、
何を改めて行かなければならないか考えます。

【実習】提案発表・・・書いてきた提案を各自発表してもらいます。
予習内容
Preparation for Class
コンテンツ提案を各自最低一つ提出してください。

「NHKスペシャル」と「クローズアップ現代」を最低1本見ておいてください。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
講義、実習で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第5回】 授業内容
Content/Topic
【講義】デジタルは必ずしもアナログより優れているわけではない

かつては取材、制作したことは放送という一面でしか使えませんでした。
しかし、デジタル化とネット社会の到来により、その素材の持つ情報や魅力を、放送だけでなく
様々なツールで 伝えることができるようになります。
最も必要としている人たちに最適なタイミングで、最適なツールを使って提供するためにどうしたらいいのか、
その考え方、仕組みづくり、今求められるコンテンツなどについて皆で考えます。

【実習】採択・・・前週の発表を受けて、磨いていく提案の数を絞ります。
そして、各自どの提案に参加するか決めてもらいます。
予習内容
Preparation for Class
「アナログ」と「デジタル」の違いについて調べ、それぞれのメリット、デメリットについて整理しておいてください。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
講義、実習で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第6回】 授業内容
Content/Topic
【講義】敵にも味方にもなる著作権

著作権の目的は著作物の価値と著作者を守ることです。だとすれば、すべての制作者はそのコンテンツが、
最も必要としている人たちに、最適なタイミングで、最適なツールを使って提供できるように環境を整備すべきでしょう。
これからの映像、情報環境にふさわしい著作権のあり方について考えます。

【実習】ブラッシュアップ・・・各グループで資料の収集、アピールポイントの強化などを進めます。
予習内容
Preparation for Class
各グループで資料の収集や内容のブラッシュアップを話し合ってください。

著作権、著作隣接権などがなぜ必要なのか考えてみてください。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
講義、実習で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第7回】 授業内容
Content/Topic
【講義】ますます盛んになるアーカイブスの活用

映像無くして20世紀以降の時代は語れません。VR、メタバースの教育利用も進んでいます。
高等教育においても映像資料の活用はますます重要になり、こうした動きに対応できる人材を育てることは急務です。
映像を通して、社会を、人間を、世界を学ぶことの重要性について考えます。

【実習】ブラッシュアップ・・・各グループで資料の収集、表現の工夫など準備を進めます。
予習内容
Preparation for Class
「バタフライエフェクト」を見ておいてください。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
講義、実習で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第8回】 授業内容
Content/Topic
【講義】歌舞伎、落語、映画とテレビドラマⅡ

日本の伝統芸能は演目を借り受けるなど相互に影響し合いながら、その内容を高め合ってきました。
能→歌舞伎の「勧進帳」、文楽→歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」、落語→歌舞伎の「文七元結」など
その例は枚挙に暇がありません。もちろん現代でもこうした切磋琢磨は積極的に進められています。
その実例を見ながら、その効果と今後の可能性について考えます。

【実習】ブラッシュアップ・・・各グループでブラッシュアップした提案を発表してもらい、
お互いに批評します。
予習内容
Preparation for Class
これまで見てきたテレビドラマ、映画、演劇などでストーリーの共通点、人格の類似点などなかったか考えてみてください。

各グループで提案内容のブラッシュアップを進めておいてください。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
講義、実習で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第9回】 授業内容
Content/Topic
【講義】マイノリティとマスメディア

「LGBTQ」「いじめ」「障がい者」「子ども」「外国人」など、今はマイノリティに
優しい時代です。しかし、いつの時代でもそうだったわけではありません。
マスメディアとマイノリティの関係、あわせて教育テレビの役割について考えます。

【実習】ブラッシュアップ・・・各グループで資料の収集、表現の工夫など準備を進めます。
予習内容
Preparation for Class
いつのものでもいいので、Eテレの「バリバラ」を見ておいてください。

コンテンツ提案については各グループで資料の収集、表現の工夫など準備を進めてください。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
講義、実習で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第10回】 授業内容
Content/Topic
【講義】信頼感と親しみを求めて ~YouTuber、VTuberの挑戦~

政治ニュース専門のYouTuberが登録者の年齢層を調べたところほとんどが65歳以上だった
そうです。そこで、彼はVTuberに転身したところ、同じ内容なのに登録者の年齢層が
一挙に若返り、平均で40歳代に。ネットの世界でも何らかの理由で着実に世代交代が進んでいます。
人は何をもとにメディアを選び、信頼するのでしょうか。実例をもとに考えます。

【実習】ブラッシュアップ・・・各グループで資料の収集、表現の工夫など準備を進めます。
予習内容
Preparation for Class
選挙で投票するにあたり、どこからのどういう情報をもとに投票先を決めていますか。考えてみてください。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
講義で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第11回】 授業内容
Content/Topic
【講義】「不祥事」と放送局 ~隠せば必ず現れる~

ジャーナリズムの倫理や社会通念に欠ける行為、公金横領などの犯罪行為、組織的隠ぺいなど
「不祥事」は組織の体質が透けて見える瞬間です。
当事者や経営者は日頃どのように考えて業務を実践し、組織を運営しているのか、
その対応を見るとはっきりと見えてきます。報道するべき放送局が逆に報道される側に立たされた時、
組織の中では何が起きているのか。日常に埋もれて見失う組織の大義や人生の目的、志について考えます。

【実習】ブラッシュアップ・・・各グループで資料の収集、表現の工夫など準備を進めます。
予習内容
Preparation for Class
コンテンツ提案について、各グループで資料の収集、表現の工夫など準備を進めてください。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
講義、実習で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第12回】 授業内容
Content/Topic
【講義】視聴者とテレビ ~放送に欠けているもの~

NHKは受信料、民放はCM。間接的に民放にも我々はお金を払っています。
戦後できたNHK・民放の二元体制について、今の時代状況の中で存続すべきものは何か、
何を改めて行かなければならないか皆で考察します。
また、経営委員会事務局専任局長在任中の2年間に、2人の経営委員長が任期途中で退任。
その間の厳しいマスコミ攻勢にさらされました。番組審議会、経営委員会両方の事務局を担当した経験から、
外部委員のあるべき姿、視聴者の意見を作品に反映させるための組織、システムの形について考えます。

【実習】ブラッシュアップ・・・各グループでさらにブラッシュアップした提案を批評します。
予習内容
Preparation for Class
日本の放送制度について各自調べ、疑問点を整理しておいてください

コンテンツ提案について、各グループで資料の収集、表現の工夫など準備を進めてください。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
講義、実習で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第13回】 授業内容
Content/Topic
【実習】講評・・・春学期も含め各班がブラッシュアップしてきた提案についてたっぷりと意見交換し、
自分の頭の中にある考えやアイデアを他人に理解してもらうこと、協力して一つの物を作り上げること
の難しさについて話し合います。
予習内容
Preparation for Class
自分の所だけでなく他グループも含めて各提案の内容について読み込み、疑問点や改善点について整理しておく。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
実習で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第14回】 授業内容
Content/Topic
【講義】「考える」と「覚える」は違う ~社会に出ると正解はない~

社会に出るとほとんどの問題に正解はありません。「正解」があるのは高校までで、
「常識」も「正論」も文化や時代、組織によっても違います。
他者を理解すること、その根底にある価値観や考え方を知ることがますます大切な時代。
自分の考えをしっかりと表現し、他人の考えと突き合わせ、さらに上のステージに上れる人材が
求められています。
社会でのコミュニケーションと人生の目的について考えます。
予習内容
Preparation for Class
自分が生涯をかけて取り組みたい事柄について考えておいてください。
春学期のに冒頭に考えた「80歳の時に振り返ってみた自分の生涯」との違い、共通点についても
考えてみてください。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
「気付きメモ」
講義で得た気付き、新たな知識、そこから考えた事などをメモにして提出してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第15回】 授業内容
Content/Topic
総括(春、秋通しで受けた人は全体を総括)
予習内容
Preparation for Class
秋学期または、春・秋全体を振り返り、自分の心の中の創作が他人と共有できたか、他人の考えをより多く理解できたか考えて来てください。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
総括レポート提出 目安時間
Hours
2 時間
授業に関する注意事項   
Remarks for Class
社会的事象の変化やトピックスに柔軟に対応するため、内容の入れ替え、または若干の変更を行うことがあります。
教科書   Texts 授業中に適宜指示します。
参考書   Reference Books 授業中に適宜指示します。
課題フィードバック方法区分
Assignment Feedback Method
授業時間内に講評・解説を行う
課題フィードバック方法内容
Assignment Feedback Method Content
成績評価の基準   
Evaluation Criteria
【実習】コンテンツ提案への参加度50%、「気付きメモ」30%、期末総括レポート20%
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備考   Notes
添付ファイルの注意事項   Notice
更新日時   Date of  Update 2024年02月17日 08時30分46秒