シラバス情報

授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード   Course Code 1CH0146000
授業開講年度   Year of Class 2024年度
授業形態   Course Mode 講義(対面授業)
授業名称   Class Name LACUR309視聴覚教育メディア論A
テーマ   Theme
科目名   Name of Subject LACUR309視聴覚教育メディア論A
英字科目名
English Name of Subject
Audio-visual Education A
科目単位数   Credit 2
履修期   Term 春学期
教員氏名   Name of Teacher 三河内 彰子
開講キャンパス   Campus 白金
曜時   Day and Period 火曜5時限(春学期)
授業概要   Course Description ミュージアは単に「モノ」を⾒せる場ではなく、それを取り巻く「情報」を扱い、メディアとして社会における様々な「意味」を媒介させます。本授業は、ミュージアム自体を社会におけるメディアとしてとらえる視点、そして、より狭義のメディア(情報機器やデジタルメディア)がミュージアムで果たしている役割についてとらえる視点、双方を関連付けて検討します。そのことで、ミュージアムの収集・保存・研究・展⽰・教育活動がいかにして形作られているのかをメディア論の視点から吟味することを目指します。
特に近年は急変する社会において、「モノ」を中⼼としたミュージアムの活動はより多様に、そして、地域社会での役割や連携が一層求められています。そのため、ミュージアムにおけるコミュニケーションとメディアの歴史的変遷や現状を国内外の事例を通して包括的に学び、特に、ICT活用におけるアーカイブの意義とデジタルメディアの活⽤について先駆的事例を通して近未来的な視点も含め吟味します。
授業は講義のほか、⼩規模フィールド調査、ワークショップ、グループワーク、現場や専門家とオンラインで繋いだ授業や博物館への訪問など、理論と実践を⾏き来します。後半は実際に学内の歴史資料館と連携して、より開かれた場として学内歴史的建造物を活用する実践的な試みを教育普及のプログラム案の制作と講評を通じて行います。
到達目標   Class Goals ミュージアムを社会に位置づけたコミュニケーションメディアとしてとらえる視座を習得し、分析や討論をすることを目標とします。その中で、ミュージアム活動における情報の意義とあり方を理解し、情報技術やデジタルメディアの役割を多角的な視点から吟味し、様々な文脈によって活用方法を選択、提案できるようになることを目標とします。
その際、現在の社会におけるメディアとしてのミュージアムのあり方を議論できるようになるために、異なる歴史的文化的背景を理解する力を身に着けることを目方とします。さらにそのために調査をし、互いの報告を聞きあう力を身に着けることを目標とします。活動を通じて、現在と未来を見通す力、新たな価値を創造する力を伸ばし、情報発信する方法を実践的に習得することを目標とします。
授業言語   Language 日本語
アクティブ・ラーニング   Active Learning アクティブ・ラーニング対応
授業計画
Daily Class Schedule
【第1回】 授業内容
Content/Topic
ミュージアムとメディア(オリエンテーション)
ミュージアムとはどのような場でしょうか?自身の体験を振り返りつつ、モノを介しての自己紹介(ワークショップ)を通して、展示とりまく多様なコミュニケーション(モノや人とのやり取り)について考え始めます。
予習内容
Preparation for Class
シラバスに目を通して質問を整理する 目安時間
Hours
1 時間
復習内容
Review of Class
授業に関するアンケートと、参考文献を踏まえた上で授業を振り返ったリフレクションをmanabaで提出(以下提出物は、基本manabaで提出し、ポートフォリオを築き上げ、最終課題で活用します) 目安時間
Hours
1 時間
【第2回】 授業内容
Content/Topic
ミュージアムのルーツとメディア
「驚異の部屋」に代表される歴史的なルーツをワークショップを交えながら解釈学的にたどり、展示で表現される世界観を吟味する。さらにミュージアムが私的コレクションのディスプレイから市民に開かれた場としてのミュージアムへ変遷した過程を辿り、モノを介したコミュニケーションと社会の関係を検討します。
予習内容
Preparation for Class
参考文献を読み質問のポイントを整理する 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
ワークショップの復習を参考文献を使った課題を通して行う 目安時間
Hours
2 時間
【第3回】 授業内容
Content/Topic
ミュージアムと分類:コンテクスト
第2回に引き続き、展示に反映される世界観を読み解き、今回はミュージアムが築き上げてきたモノをいかに把握するか、情報の分類とその共有に関して、特にコンテクストとの関係を学ぶ。
予習内容
Preparation for Class
前回の復習を見直し、質問や対話のポイントを準備する 目安時間
Hours
1 時間
復習内容
Review of Class
リフレクションペーパーを書き提出 目安時間
Hours
1 時間
【第4回】 授業内容
Content/Topic
モノと人と社会と文化I
ミュージアムをより社会に位置づけて吟味するために、年中行事を展示すると仮定した上で、実生活上での年中行事の体験に関してフィールドワークを行います。日常何気なく体験している年中行事とそれを作り上げるモノ・人・社会/文化のやりとりを分析します。
予習内容
Preparation for Class
課題(フィールドワーク/オンライン上での体験も含む)を実施 目安時間
Hours
3 時間
復習内容
Review of Class
分析結果を見直し、適宜追加のフィールドワークを行う 目安時間
Hours
2 時間
【第5回】 授業内容
Content/Topic
モノと人と社会と文化II
4回に引き続き、社会の中でのコミュニケーションに注目し、モノ・人・社会/文化のやりとりについて分析します。それを応用し、総じて社会におけるミュージアムという特殊なメディアの作り・特徴をとらえます。
予習内容
Preparation for Class
前回の復習を見直し、質問や対話のポイントを整理し用意しておく 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考文献を読み、リフレクションペーパーを提出 目安時間
Hours
2 時間
【第6回】 授業内容
Content/Topic
教育空間とコミュニケーションI
空間メディアとしての特徴を学ぶために、事例として教育的な学びのコミュニケーションに注目し、教育空間を構成する視聴覚メディアの歴史的展開から吟味します。古代ギリシャにおける言語によるコミュニケーションから絵画/挿絵の登場や活版印刷技術の誕生がもたらした変化についてワークショップを交えて比較検討します。
予習内容
Preparation for Class
第3回のリフレクションペーパーに目を通して、さらに調べ、自身の探求すべき関心事を見出しておく。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
参考文献を読み、リフレクションペーパーを書き提出 目安時間
Hours
2 時間
【第7回】 授業内容
Content/Topic
教育空間とコミュニケーションII
前回のワークショップを振り返り、さらにインターネットを用いた現代のメディアの生成過程、科学・技術やその使われ方の変化や社会文化的要素に注目しながらメディア空間と学びのコミュニケーションについて検討する視点を養います。
予習内容
Preparation for Class
復習課題を予習とする 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
リフレクションペーパーを書き提出 目安時間
Hours
1 時間
【第8回】 授業内容
Content/Topic
展示と表象:科学と文化
これまでの授業で学んだことを用いて、普段何気なく見ている展示をその表象に焦点を絞り吟味する。特に、自然物展示とその表象について国内外の事例を吟味することで、個々の印象論から脱し、人類が自然物を人工物へと転じてゆく軌跡、展示を巡る科学的/文化的といわれる人々の営みとメディアの関係を炙り出す。(第8‐9回でゲスト講師を招く可能性あり)
予習内容
Preparation for Class
参考文献を読み、質問や対話のポイントを整理しておく 目安時間
Hours
3 時間
復習内容
Review of Class
リフレクションペーパーを提出 目安時間
Hours
2 時間
【第9回】 授業内容
Content/Topic
展示と物語:アナログとデジタルメディア
第8回に続き、展示にまつわるコミュニケーションとメディアについて、自然物を用いた展示を企画するワークショップを通して、モノを調査し読み解いた知をいかに社会に位置づけて共有するか、展示の物語を作成し、どのような技術を用いるかICT活用も含め、グループワークで検討します。作成にはストーリーボードを用いて検討及び発表する方法を身につけます。
予習内容
Preparation for Class
第8回の復習課題を予習とします。 目安時間
Hours
3 時間
復習内容
Review of Class
リフレクションおよび展示案の物語案をストーリーボードとその解説で提出。 目安時間
Hours
2 時間
【第10回】 授業内容
Content/Topic
来館者とアクセシビリティ:社会に開かれたミュージアムI
以降は社会に開かれたミュージアムを創造する視点から、来館者視点からのモノを介したコミュニケーションとメディアについて捉え直します。具体的には、最終課題となる明治学院大学を丸ごとミュージアムに見立てたツアー案の作成プロセスを通して学びます。今回は来館者研究の視座とアクセシビリティに関して事例による検討をします。
予習内容
Preparation for Class
第9回の復習課題を予習とする。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業を振り返り、さらにミュージアムにおける教育プログラムを調べ(一つは見学ツアーやガイドに関連する事例)、リフレクションペーパーを書き提出 目安時間
Hours
2 時間
【第11回】 授業内容
Content/Topic
ミュージアムと「地域」「連携」「協働」:社会に開かれたミュージアムII:
近年注目されているミュージアムの地域との連携や協働について、国内外の事例を通して学びます。並行して最終課題に活かすべき視点を見出す。
予習内容
Preparation for Class
前回の復習をもって予習とする 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業と参考文献を読み、リフレクションペーパーを書き提出 目安時間
Hours
2 時間
【第12回】 授業内容
Content/Topic
ユニバーサル・ミュージアム:社会に開かれたミュージアムIII
学内歴史資料館の公開事例に学ぶ:学内歴史的建造物3棟と記念館内展示を活用し、歴史資料館の方による見学ツアーを体験し、その後質疑応答、意見交換を行う。歴史資料館のユニバーサル・ミュージアムへの試みと課題について学ぶ。
予習内容
Preparation for Class
歴史資料館について事前調査を行う(インターネット上および見学したことがない人は各自自分の目で見学をしておく) 目安時間
Hours
1 時間
復習内容
Review of Class
リフレクションペーパーを書き提出。歴史的建造物を含む明治学院を社会に開く方法を提案する。 目安時間
Hours
3 時間
【第13回】 授業内容
Content/Topic
メディアとしてのミュージアムの実践と今後I:
第12回の課題を歴史資料館の方と振り返り、21世紀型のミュージアムを目指した意見交流を行う。昨年度、東京文化財ウィーク(文化祭と同時期に歴史資料館が参加する都の催事)で、各自のツアー案をパネル展示した実践、一般見学者からのフィードバックを共有し、本年度の参加とその方法について検討する。
予習内容
Preparation for Class
前回の復習課題を予習とする。 目安時間
Hours
3 時間
復習内容
Review of Class
最終課題のテーマ(切り口)と物語を検討し案を提出する。 目安時間
Hours
2 時間
【第14回】 授業内容
Content/Topic
メディアとしてのミュージアムの実践と今後I:アーカイブとドキュメンテーション
ミュージアムの課題として、活動で生み出される様々な種類の資料・情報をいかに保存し活用するかが挙げられます。情報資源の管理と公開について、特にデジタルメディアの時代の可能性と課題を学びます。具体的なドキュメンテーション、デジタルデータベース化、アーカイブ化に関して、歴史資料館の事例やその他先駆的な事例から学びます。有志には夏季休暇中の現場作業(一つは歴史資料館)への参加を通して実情と課題を学ぶ機会を提供します。
予習内容
Preparation for Class
文献を読み、質問を整理する。 目安時間
Hours
1 時間
復習内容
Review of Class
明治学院大学おすすめ散策ツアー案のテーマ(切り口)と展開案(物語)を資料館のアーカイブ資料を調査し、その結果を活かして第9回で用いたストーリーボードに落とし込み提出する。 目安時間
Hours
4 時間
【第15回】 授業内容
Content/Topic
これまでの授業を活かし、最終課題の遂行を行う、具体的には、manaba上の講義資料を参照し、最終課題のチェックポイントを吟味し反映、改善をする。
予習内容
Preparation for Class
第10回以降の最終課題に向けた小課題を振り返り、検討事項を整理しておく。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
最終課題の解説レポートを読み、今学期学んだことを振り返る。 目安時間
Hours
2 時間
授業に関する注意事項   
Remarks for Class
ミュージアムを利用した授業を行うために、学外、時限外での作業がみこまれます。授業の性質上、学外のミュージアムやオンラインで行うことになる場合があります。また、各自の理解を軸とする実践的な授業を行います。話し合いはもちろん、発表も一方向的ではなく、受講生の積極的な参加及び互いから学びあう姿勢が求められます。
教科書   Texts 特になし
参考書   Reference Books Hooper-Greenhill, Eliean (1992) “Museum and the Shaping of Knowledge”,伊藤寿朗(1993)『市民の中の博物館』古川弘文館、三河内彰⼦(2016)「博物館とは」『⾒る目が変わる博物館の楽しみ⽅』⽮野興⼀編, ベレ出版.⽔越伸・飯⽥豊・ 劉雪雁,『新版 メディア論』(2022)放送⼤学教育振興会(放送⼤学教材). 広瀬 浩二郎(2012)『さわって楽しむ博物館―ユニバーサル・ミュージアムの可能性』 (青弓社)
課題フィードバック方法区分
Assignment Feedback Method
授業時間内に講評・解説を行う
課題フィードバック方法内容
Assignment Feedback Method Content
成績評価の基準   
Evaluation Criteria
平常点(授業への取り組み方、発表、リフレクションペーパーのやりとりなど)40%、内容点(リフレクションペーパー以外の提出物、小課題と最終課題(書き溜めたリフレクションペーパーを活用する))60%をめやすに、総合的に評価します。
関連URL   Related URL
備考   Notes
添付ファイルの注意事項   Notice
更新日時   Date of  Update 2024年02月27日 16時59分33秒