シラバス情報

授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード   Course Code 1FH0042301
授業開講年度   Year of Class 2024年度
授業形態   Course Mode 講義(対面授業)
授業名称   Class Name 西洋文化史1
テーマ   Theme
科目名   Name of Subject 西洋文化史1
英字科目名
English Name of Subject
The history of Western culture 1
身につく能力
Ability to be Acquired in This Class
◎=科目に最も関連する能力
〇=科目に関連する能力
知識・理解 幅広い教養
知識・理解 経済学・経営学に関する知識
汎用的技能 情報収集能力や分析力
汎用的技能 自らの考えを日本語はもとより英語で表現できる能力
態度・志向性 諸問題に積極的に取り組む能力
態度・志向性 “Do for Others(他者への貢献)”の精神、高い倫理観
態度・志向性 コミュニケーション能力と対人関係を構築できる能力
統合的な学習経験と創造的思考力 現代社会の諸問題に積極的に取り組む能力
科目単位数   Credit 2
履修期   Term 春学期
教員氏名   Name of Teacher 蝶野 立彦
開講キャンパス   Campus 白金
曜時   Day and Period 水曜4時限(春学期)
授業概要   Course Description  ヨーロッパ各国の宗教改革の歴史を辿りながら、ルターやカルヴァンを初めとする宗教改革者たちが著したテキストの検討を通して、宗教改革が生み出したプロテスタンティズムの思想と文化の特徴について考察する。
 ルター、ツヴィングリ、カルヴァンらによって16世紀に広められた宗教改革は、今日の「プロテスタントのキリスト教諸教派」の源流となるとともに、「西ヨーロッパ(西方キリスト教世界)の文化・思想・社会経済構造・政治体制」に巨大な影響を及ぼし、「近代の西洋文化の原型」を創り出した。
 本授業では、中世末期から17世紀までのヨーロッパの歴史のなかでの「宗教改革の展開」を辿り、「中世末期におけるローマ教皇庁への批判の高まりと《贖宥状》問題」「ドイツとスイスにおける宗教改革の始まり」「宗教改革のフランス、オランダ、スコットランド、北欧、東欧への波及」「イングランドの宗教改革の独自性」「宗教改革の広まりを支えた中・近世ヨーロッパの《国際・政治情勢》と《都市の政治・経済構造》」「宗教改革の農村への波及と宗教改革急進派」「中・近世の西ヨーロッパの言語文化の構造(《エリートの言語》としての「ラテン語」と《民衆の言語》としての「各国語」)と宗教改革との関わり」「宗教改革思想の急速な伝播を可能にした印刷術・書籍出版業・情報媒体」「宗教改革の神学思想と古代~中世のキリスト教的伝統との間の《連続》と《断絶》」「ルネサンス人文主義と宗教改革」「宗教改革における《聖書》の重視とプロテスタンティズム」「宗教改革と芸術」「宗教改革と民衆文化」「プロテスタンティズムと資本主義との関わり」「カトリック改革とカトリックの対抗宗教改革」「カトリック的文化とプロテスタント的文化の比較」などの問題を軸にして「ヨーロッパ諸地域の文化に宗教改革が及ぼした影響」を跡づけるとともに、ルターを初めとする宗教改革者たちが著したさまざまなテキストを読み解くことによって、「プロテスタンティズム」および「プロテスタントの文化」の特徴とその本質についての理解を深めてゆく。
到達目標   Class Goals 「ヨーロッパの宗教改革とプロテスタンティズムについて、歴史的・文化的・社会経済的背景との関連において、総合的かつ正確な知識を身につけること」「参考文献等を活用しながら、それらの知識を独自の視点から理解・解釈し、現代の国際関係や現代社会が抱える諸問題とも関連付けながら、それを論述する能力を養うこと」が本授業の目標である。
授業言語   Language 日本語
アクティブ・ラーニング   Active Learning アクティブ・ラーニング非対応
授業計画
Daily Class Schedule
【第1回】 授業内容
Content/Topic
授業の狙いとコンセプトについての説明
予習内容
Preparation for Class
シラバスの熟読。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のコンセプトと各自の問題関心を照らし合わせて、受講の準備を行う。 目安時間
Hours
2 時間
【第2回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革の歴史的展開とヨーロッパ諸地域への波及(1) ― ドイツの宗教改革(1):「宗教改革の発祥の地」としての神聖ローマ帝国(ドイツ)、なぜ宗教改革は神聖ローマ帝国で始まったのか、ドイツの諸侯と宗教改革、「プロテスタント」という名称の起源
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第3回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革の歴史的展開とヨーロッパ諸地域への波及(2) ― ドイツの宗教改革(2):若き日のルター、ルターによる『95箇条の提題』の公表(1517年)とヴィッテンベルクでのルターの足跡、ルターはいつ「ローマ・カトリック教会」と訣別して「宗教改革者」となったのか、15~16世紀のローマ教皇庁の実態、「カトリック修道士」から「宗教改革者」への《ルターの変貌》の軌跡
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第4回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革の歴史的展開とヨーロッパ諸地域への波及(3) ― ドイツの宗教改革(3):ドイツ(神聖ローマ帝国)の宗教改革と書籍印刷・出版・情報流通・言語文化との関わり、中世後期~宗教改革期の「書籍製造の歴史」とそのなかでのルターの位置、16世紀初頭の「出版不況」のなかでの「ベストセラー作家」としてのルター、ルターと印刷業者との結びつき、ルターの「宗教改革のメッセージ」はどのようにして幅広い社会層の人々の間に広まったのか、中・近世の西ヨーロッパの言語文化の構造(《エリートの言語》としての「ラテン語」と《民衆の言語》としての「各国語」)、「ラテン語に依拠したローマ・カトリック教会の知的ヒエラルキー」と「ルターによるドイツ語を用いた民衆への情報発信」、1520年代におけるドイツ(神聖ローマ帝国)の宗教改革の路線転換と「ルター派」の形成
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第5回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革の歴史的展開とヨーロッパ諸地域への波及(4) ― スイスとフランスの宗教改革(1):スイスの宗教改革の歴史的背景としての「スイス盟約者団の歴史」、若き日のツヴィングリの足跡とチューリヒでの宗教改革の始まり、「ソーセージ事件(四旬節期間中の断食の戒律を破る行動)」(1522年)から「公開討論会の開催」(1523年)へ、「スイス人傭兵」をめぐるツヴィングリの政治的・社会的発言
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第6回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革の歴史的展開とヨーロッパ諸地域への波及(5) ― スイスとフランスの宗教改革(2):スイス盟約者団の諸邦への宗教改革の広まり、スイス盟約者団の内部での《プロテスタント邦(宗教改革邦)とカトリック邦の対立・戦争》、第2次カッペル戦争でのツヴィングリの戦死(1531年)
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第7回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革の歴史的展開とヨーロッパ諸地域への波及(6) ― スイスとフランスの宗教改革(3):フランス王権による宗教改革への迫害の始まりとカルヴァンのスイスへの逃避行、若き日のカルヴァンの「フランス国王へのアピール」、「サヴォワ公国からのジュネーヴの独立運動」とジュネーヴの宗教改革、ジュネーヴでのカルヴァンの「宗教改革者」としての歩み(1536年~)、「教会規律」をめぐるカルヴァンとジュネーヴ市民の対立、カルヴァンによる「破門権の再導入」と「ミカエル・セルヴェトゥスの処刑」(カルヴァンの「暗い側面」)、16世紀半ばの「教派対立の激化」と「プロテスタント避難民のアジール」としてのジュネーヴ、ジュネーヴを拠点とする「プロテスタントの国際的ネットワーク」の形成、フランスにおけるカルヴァン派信徒(ユグノー)の増加とフランス国内での「カトリックとユグノーの対立」の激化、ユグノー戦争の発生(1562年)
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第8回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革の歴史的展開とヨーロッパ諸地域への波及(7) ― イングランドの宗教改革:イングランド宗教改革の「隠れた源流」としての15世紀のロラード派、イングランド国王ヘンリ8世による「宗教改革の導入」と「イングランド国教会のローマ教皇庁からの分離」(1534年)の政治的背景、1520年代~1530年代の「英訳聖書の刊行」をめぐるさまざまな試み(『ティンダル聖書』、『カヴァデール聖書』、『大聖書(グレート・バイブル)』)、女王メアリ1世による「カトリック復帰」の時代のイングランドにおけるプロテスタント迫害、女王エリザベス1世による「イングランド国教会体制の再建」と「ピューリタニズムの出現」
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第9回】 授業内容
Content/Topic
宗教改革の歴史的展開とヨーロッパ諸地域への波及(8) ― 北欧の宗教改革、スコットランドの宗教改革、東欧の宗教改革、ネーデルラントの宗教改革とオランダ独立戦争
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第10回】 授業内容
Content/Topic
プロテスタンティズムの思想と文化(1) ― ルター、ツヴィングリ、カルヴァンの宗教改革思想の比較、宗教改革思想のルーツをどこに求めるべきか?
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第11回】 授業内容
Content/Topic
プロテスタンティズムの思想と文化(2) ― 宗教改革運動の多様性と宗教改革急進派、宗教改革のなかでの「聖書」と「聖書翻訳」の役割、中世カトリシズム~ルネサンス人文主義~宗教改革における「聖書の利用法」の変化、文字の読めない民衆(非識字層の人々)への宗教改革思想の伝播を可能にしたさまざまな情報媒体(パンフレット、ビラ、挿絵と風刺画、読み聞かせ、歌唱、演劇など)
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第12回】 授業内容
Content/Topic
プロテスタンティズムの思想と文化(3) ― 宗教改革と民衆文化、宗教改革が《中世末期の民衆文化》と《民間魔術》に及ぼした影響、中世ヨーロッパにおける「民間魔術」、宗教改革者による「カトリシズムへの批判」の一環としての「民間魔術への批判」、「プロテスタント的な民衆教育」と「カトリック的な救貧観念の衰退」
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第13回】 授業内容
Content/Topic
プロテスタンティズムの思想と文化(4) ― 宗教改革と芸術、宗教改革者たちによる「偶像崇拝の否定」と「聖像の否定」、宗教改革期の「聖像破壊」、プロテスタント文化のなかでの「宗教画の衰退」、対抗宗教改革期のローマ・カトリック教会による「聖像」「聖人崇敬」「聖遺物崇敬」の重視、カトリック文化のなかでの「宗教画の興隆」と「バロック様式の教会建築の普及」、「賛美歌作者としてのルター」とプロテスタント文化のなかでの「音楽」の重要性
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第14回】 授業内容
Content/Topic
プロテスタンティズムの思想と文化(5) ― プロテスタント神学のなかでの「予定説」とカルヴァン主義の「二重予定説」が孕む諸問題、「予定説」に関するルターとカルヴァンの立場の違い、プロテスタント諸地域・諸教派における「二重予定説」への対応の違い、「二重予定説」と《アメリカ先住民に対するプロテスタント神学者の眼差し》、プロテスタンティズムの経済倫理(マックス・ヴェーバーとルターの記述を手がかりに)、「エキュメニズム(教会合同運動)」とローマ・カトリック教会の第2バチカン公会議(1962年~1965年)、「1960年代のカトリックの改革・刷新」と「16世紀の宗教改革」との間の微かな連続性
予習内容
Preparation for Class
講義で取り扱われるトピックについて参考図書・事典などを用いて初歩的な知識を得る。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深める。 目安時間
Hours
2 時間
【第15回】 授業内容
Content/Topic
授業の総括と補足説明。「まとめ資料の提示」と「オンデマンドでの解説(音声のみ)」によって授業を実施する。資料の公開日については、事前にコースニュースで告知する。
予習内容
Preparation for Class
これまでの授業内容を復習する。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業時に紹介した参考文献を参照し、講義についての理解を深めるとともに、学期末レポートを作成する。 目安時間
Hours
2 時間
授業に関する注意事項   
Remarks for Class
・各回の授業終了後に「授業の感想」を「レポート」としてオンラインで提出すること。「レポート」に記された受講者からの質問に対しては、返答・コメントを行う。
・manabaで配信する教材をインターネット上で流布させることは不可。
・授業時には、manabaで配信した「レジュメ」に解説を付けるかたちで、講義を進めてゆきます。教場では、教室のスクリーンに「レジュメ」の内容を映し出しながら授業を行いますが、ノート型PCやタブレットPCを教室に持参することが可能であれば、PCの画面に「レジュメ」を表示しながら、講義を聞いてください。
・授業では、宗教改革とプロテスタンティズムについて、重要な邦訳史料(未邦訳史料の場合には教員による訳文)や図像史料を紹介しつつ、それぞれの時代の歴史的・文化的背景を踏まえながら考察してゆきます。特別の基礎知識がなくても受講は可能ですが、講義内容を正確に理解するためには、各回のテーマに関して参考文献などを用いて知識を深めることが必要です。
・講義内容は、受講者の関心に応じて、部分的に変更することもあります。
教科書   Texts 使用しない。
参考書   Reference Books 特になし。それぞれの講義箇所についての参考文献は、各回のレジュメで紹介する。
課題フィードバック方法区分
Assignment Feedback Method
授業時間外にmanabaで行う
課題フィードバック方法内容
Assignment Feedback Method Content
成績評価の基準   
Evaluation Criteria
授業への参加度(各回の授業終了後に提出するレポートの評価を含む)50%、学期末レポート50%
関連URL   Related URL
備考   Notes
添付ファイルの注意事項   Notice
更新日時   Date of  Update 2024年03月19日 15時00分35秒