授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード Course Code |
1NF2303001
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授業開講年度 Year of Class |
2024年度
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授業形態 Course Mode |
講義(対面授業)
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授業名称 Class Name |
病弱教育総論
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テーマ Theme |
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科目名 Name of Subject |
病弱教育総論
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英字科目名 English Name of Subject |
Education for the Health Impaired
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身につく能力
Ability to be Acquired in This Class
◎=科目に最も関連する能力
〇=科目に関連する能力
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知識・理解
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幅広い教養と生涯発達に関する十分な知識
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〇
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汎用的技能
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発達支援力、教育実践力
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◎
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態度・志向性
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自主的に学び続ける姿勢
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〇
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態度・志向性
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心理支援力
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〇
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統合的な学習経験と創造的思考力
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学習成果を総合的に活用し、学び続ける姿勢
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科目単位数 Credit |
2
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履修期 Term |
春季講座
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教員氏名 Name of Teacher |
武田 鉄郎
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開講キャンパス Campus |
白金
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曜時 Day and Period |
集中(春季)
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授業概要 Course Description |
特別支援学校(病弱)の教育において、病弱教育の歴史的動向及び現状と課題を検討し、教育課程が有する意義を理解する。幼児、児童又は生徒の病気や障害の状態、特性及び心身の発達の段階等並びに特別支援学校(病弱)の教育実践に即した教育課程の編成の方法とカリキュラム・マネジメントの考え方を理解する。さらに、病弱や障害の状態(ターミナル期を含む)、特性及び心身の発達段階等を踏まえた各教科等の指導、自立活動に関する配慮事項について理解するとともに、自立活動及び自立活動と関連付けた具体的な授業場面を想定した授業設計を行う方法を身につける。また、叱らないけど譲らない提案・交渉型アプローチによるロールプレイを体験し、心身症や不安障害等のある幼児、児童又は生徒の自己選択・決定する力とストレスに対処していく力を育てる指導法に関する理解を深める。なお、「病弱」を主として論じるが、それに関連する肢体不自由(主に進行性疾患)や医療的ケア児、知的障害のある児童生徒の指導・支援についても理解を深める。
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到達目標 Class Goals |
病弱教育の歴史的動向及び現状と課題を検討し、病弱者(身体虚弱者を含む)に関する教育課程の編成、指導法について理解することを目的とする。 病弱教育の歴史的動向及び現状と課題を検討し、病弱者(身体虚弱者を含む)に関する教育課程の編成、指導法について理解することを目的とする。 1)病気や障害の状態、特性及び心身の発達の段階等並びに学習の進度を踏まえ、各教科等の教育の内容を選定し、組織し、それらに必要な授業時数を定めて編成することを理解している。 2)各教科等の年間指導計画を踏まえ、個々の幼児、児童又は生徒の実態に応じて適切な指導を行うために個別の指導計画を作成することを理解している。 3)自立活動の指導における個別の指導計画の作成と内容の取扱いについて理解するとともに、教科と自立活動の目標設定に至る手続の違いを理解している。 4)個別の指導計画の実施状況の評価と改善を、教育課程の評価と改善につなげることについて、カリキュラム・マネジメントの側面の一つとして理解している。 5)病弱や障害の状態(ターミナル期を含む)、特性及び心身の発達段階等を踏まえた各教科等の指導、自立活動に関する基本事項を理解し、学習指導案を作成することができるとともに、授業改善の視点を身に付けている。 6)各教科等の指導の効果を高めるために、ICTの有効な活用とともに教材・教具や補助用具を工夫し、メディアを利用して行う授業のことについて理解している。 7)病気や障害の状態、特性及び心身の発達の段階等を踏まえ、心身に負担過重とならないように、適切な活動量や活動時間の設定、姿勢の変換や適切な休養の確保に留意することについて理解している。
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授業言語 Language |
日本語
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アクティブ・ラーニング Active Learning |
アクティブ・ラーニング対応
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授業計画 Daily Class Schedule
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【第1回】
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授業内容 Content/Topic
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病弱教育の歴史的動向と現状と課題
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予習内容 Preparation for Class
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集中講義のため予習内容はなし
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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配付資料を使って、明治、大正、昭和の病弱教育について復習する。特に白十字林間学校の当日の様子をビデオ視聴した内容と現在の教育の比較で考察をする。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第2回】
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授業内容 Content/Topic
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病弱教育の対象となる児童生徒の身体疾患、精神及び行動の障害 -内部障害や小児慢性特定疾病など制度等-
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予習内容 Preparation for Class
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内部障害や小児慢性特定疾病について事前に調べること
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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資料をもとに、不登校の経過等を踏まえ、心身症、適応障害、不安障害等についてまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第3回】
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授業内容 Content/Topic
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病気や障害の状態、特性及び心身の発達の段階等を踏まえた指導法1 -病気の子どもの心理社会的支援とQOLを高める視点-
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予習内容 Preparation for Class
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QOLについて調べてくること
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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主観QOLと客観的QOL(生命のレベルと質、個人のレベルの質、社会のレベルの質)の向上と事例を通したそれぞれのレベル同士の関連性をまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第4回】
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授業内容 Content/Topic
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病気や障害の状態、特性及び心身の発達の段階等を踏まえた指導法2 -病気の子どもの病因認知や心理社会的発達に関する理論的説明-
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予習内容 Preparation for Class
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ピアジェの認知発達理論とエリクソン心理社会的発達について資料を基に予習する。
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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子どもの発達段階に基づく病気の子どもの社会的支援について講義内容をまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第5回】
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授業内容 Content/Topic
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病気や障害の状態、特性及び心身の発達の段階等を踏まえた指導法3 -病気の子どもの発達課題とセルフケア向上に向けた支援-
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予習内容 Preparation for Class
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セルフケアに関する資料を基に、セルフイニシアチブを持ち続けることを意味、自己選択することを意味を確認する。
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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腎不全にあり、ターミナル期にある人のセルフイニシアチブをもち、自己選択した生き方についてまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第6回】
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授業内容 Content/Topic
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病気や障害の状態、特性及び心身の発達の段階等を踏まえた指導法4 -ターミナル期にある子どもの理解(グループワーク 喪失の体験ワーク)-
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予習内容 Preparation for Class
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受講者自身の「喪失の体験」とそのときに感じた感情を簡潔にまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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「グループワーク 喪失の体験」について小レポートをまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第7回】
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授業内容 Content/Topic
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病気や障害の状態、特性及び心身の発達の段階等を踏まえた指導法5 -セルフケア育成とセルフケアを阻止する要因、促進する要因、ASEBAによる不適応/適応の総括的アセスメントによる事例紹介-
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予習内容 Preparation for Class
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資料を基に、病気の子どもの自尊感情を育てるためのアプローチについて考えをまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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ASEBAA( Achenbach System of Empirically Based Assessment )のTRF( Teacher's Rating Form )の記入と分析について復習する。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第8回】
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授業内容 Content/Topic
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病気や障害の状態、特性及び心身の発達の段階等を踏まえた指導法6 -ストレス対処過程における病気の子どもの対処行動の理解と支援の方法-
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予習内容 Preparation for Class
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配付資料「武田鉄郎(2022)ストレスに対処する―「叱らないけど譲らない支援」で自尊感情を高め、つまずきを自信に変える-.発達教育」を読み、考えをまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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各自、叱らないけど譲らない場面を設定し、どのような提案と交渉をするか、簡潔にまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第9回】
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授業内容 Content/Topic
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教育課程の編成と個別の指導計画の作成1 -教育課程編成上の課題(障害の多様化・重度化の対応)「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」の説明と子どもの実態に即した教育課程のあり方
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予習内容 Preparation for Class
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特別支援学校学習指導要領「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」について、解説書を基に予習する。
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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準ずる教育課程、下学年適用の教育課程、知的障害特別支援学校の教育課程、自立活動を主とする教育課程、通信による教育など、児童生徒の応じた教育課程の編成についてまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第10回】
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授業内容 Content/Topic
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教育課程の編成と個別の指導計画の作成2 -自立活動の目的・内容の説明と個別の指導計画作成-
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予習内容 Preparation for Class
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資料に基づき、慢性疾患、心身症、不安障害などある児童生徒の個別指導計画、進行性筋ジストロフィー等の進行性の病気の児童生徒の個別の指導計画について事前に読んでおく。
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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進行性の病気の児童生徒のための個別の指導計画作成の課題についてまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第11回】
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授業内容 Content/Topic
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教育課程の編成と個別の指導計画の作成3 -各教科の指導の配慮(心身の加重負担とならない適切な活動、間接体験、疑似体験、仮想体験などの創意工夫など)-
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予習内容 Preparation for Class
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授業時数の制約、経験不足、少人数等の学修の弊害について、配付資料を参考にその解決方法について考えをまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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不登校等の不適応になった事例から、ロールプレイをするためのシナリオ作りを行う。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第12回】
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授業内容 Content/Topic
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教育課程の編成と個別の指導計画の作成4 -メディアを利用して行う授業「オンデマンド型授業等、テレロボ(テレポーテーションアバターロボット」などと呼ばれる遠隔操作ロボットシステム)を活用した授業例とその課題」-
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予習内容 Preparation for Class
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テレロボ(テレポーテーションアバターロボット」などと呼ばれる遠隔操作ロボットシステム)を活用した授業例をインターネットを介して事前に観て、その利点と問題点をまとめておく。
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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配付資料を基に、メディアを利用して行う授業に関する制度改正についてまとめをを行う。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第13回】
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授業内容 Content/Topic
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病弱教育における自立活動の実際1 -慢性疾患、心身症等の子どもの自立活動と個別の指導計画-
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予習内容 Preparation for Class
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配付講義資料による自立活動とその活動内容例について熟読し、考えをまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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医療等との多職種連携を図るための条件について論文を基にまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第14回】
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授業内容 Content/Topic
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病弱教育における自立活動の実際2 -心身症、不安障害、適応障害等の児童生徒対象に「叱らないが譲らない提案・交渉型アプローチ」を取り入れたグループによるロールプレイによる疑似体験-
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予習内容 Preparation for Class
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ロールプレイのための役割を演じる練習を行う。
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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ロールプレイ後の自己選択・決定できる場合とできない場合の違いについてのまとめる。
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目安時間 Hours
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2 時間
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【第15回】
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授業内容 Content/Topic
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教員の指導に基づく自主学修(授業の総括)
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予習内容 Preparation for Class
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病気の子どもの心理社会的課題と教育課程編成を踏まえた授業のまとめを事前に行う。
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目安時間 Hours
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2 時間
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復習内容 Review of Class
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最終レポート課題の作成を行う。
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目安時間 Hours
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2 時間
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授業に関する注意事項 Remarks for Class |
秋学期は「対面授業」の予定です。
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教科書 Texts |
標準「病弱児の教育」テキスト 改訂版.ジアース教育新社 2022年
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参考書 Reference Books |
ロールプレイ用の教科書として、 ロールプレイに使用する事例 武田鉄郎編著(2017)「発達障害の子どもの「できる」を増やす提案・交渉型アプローチ-叱らないけど譲らない支援-」学研プラス
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課題フィードバック方法区分 Assignment Feedback Method |
授業時間内に講評・解説を行い、授業時間外はmanabaで行う
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課題フィードバック方法内容 Assignment Feedback Method Content |
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成績評価の基準 Evaluation Criteria |
授業への参加度20%、授業期間中の2回の小レポート30%、最終レポート50%
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関連URL Related URL |
武田鉄郎研究開発代表者「病気の子どもとその周りの人々のためのデジタル絵本」 http://www.nise.go.jp/cocoro/cocoro.html より
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備考 Notes |
2025年2月17日(月)、18日(火)、19日(水)の1~5時限
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添付ファイルの注意事項 Notice |
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更新日時 Date of Update |
2024年03月19日 15時00分41秒
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