シラバス情報

授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード   Course Code 2110003101
授業開講年度   Year of Class 2024年度
授業形態   Course Mode 講義(対面授業)
授業名称   Class Name MGCHR102キリスト教の基礎B
テーマ   Theme
科目名   Name of Subject MGCHR102キリスト教の基礎B
英字科目名
English Name of Subject
Introduction to Christianity B
身につく能力
Ability to be Acquired in This Class
◎=科目に最も関連する能力
〇=科目に関連する能力
知識・理解 現代社会が抱える諸問題を捉えるための幅広い基礎知識
汎用的技能 多面的思考・判断力、コミュニケーション力
態度・志向性 多様性の尊重、他者貢献、自律的学習態度
統合的な学習経験と創造的思考力 課題発見力
統合的な学習経験と創造的思考力 解決策提示力、社会参画による他者貢献
科目単位数   Credit 2
履修期   Term 秋学期
教員氏名   Name of Teacher 大石 周平
開講キャンパス   Campus 横浜
曜時   Day and Period 月曜1時限(秋学期)
授業概要   Course Description 古代オリエント世界で長い時間をかけて成立した聖書は、それ自体、そのうちに様々な声のひびく「対話の書」である。本講義では、そのうち『ルツ記』等の読解作業をしながら、ユダヤ・キリスト教史との対話を通して、現代に通じる普遍的な諸問題(人間観、宗教観、歴史観、世界観や倫理観、とくに国家と平和の問題など)に関する幅広く(良い意味で)批判的なものの見方を身につける。
講義の四本柱は以下のとおり:
 ①主題確認・問題提起
 ②聖書本文との対話
 ③歴史に照らした主題の掘り下げ
 ④協議とさらなる課題の提示。
到達目標   Class Goals 聖書やユダヤ・キリスト教史の基礎的な知識を用いて、物事を相対化し、他者の立場を理解する幅広い可能性を多角的に検討したうえで、私たちが個人的、社会的、国際的に今なお抱えている諸問題にアプローチする新しい視座を獲得し、自らの信じるところを公に説明できる。したがって、本講義ではひとつの模範解答を得ることが目標とはならず、講義の終わりには、さらに考えるべき問題や課題が示されることとなる。
授業言語   Language 日本語
アクティブ・ラーニング   Active Learning アクティブ・ラーニング対応
授業計画
Daily Class Schedule
【第1回】 授業内容
Content/Topic
ルツ記1章(1)
 ① 保守と自由の緊張関係の中における災禍
 ② ルツ記1章1~7節の講読
 ③ 「災害ユートピア」(ソルニット)はなぜ日常とならないのか
予習内容
Preparation for Class
聖書の目次をみて、『ルツ記』の全体における位置を確認しておく。
上記聖書箇所(前後の文脈も)に、日本語と第二外国語の翻訳で、目をとおす。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
期末グループ発表課題(後述)への準備
目安時間
Hours
2 時間
【第2回】 授業内容
Content/Topic
ルツ記1章(2)
 ① いわゆる「寡婦」にとっての社会〜家族とは何か。
 ② ルツ記1章8~14節の講読
 ③ 古代の寡婦救済制度「レビラート婚」について
予習内容
Preparation for Class
上記聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす。
「家族」とは何か、自身の考えを説明できるようにしておく。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
期末グループ発表課題(後述)への準備
目安時間
Hours
2 時間
【第3回】 授業内容
Content/Topic
ルツ記1章(3)
 ① いわゆる「異邦人」(外国人)にとっての社会
 ② ルツ記1章15~19a節の講読
 ③ 共に生きるときの創造性と新しい家族像
予習内容
Preparation for Class
上記聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす。
日本の入管(入国管理局)の現状について調べておく。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
期末グループ発表課題(後述)への準備
目安時間
Hours
2 時間
【第4回】 授業内容
Content/Topic
ルツ記1章(4)
 ① 日本語における人名と地名〜わが子に名をつけるならどのような思いを込めるか
 ② ルツ記1章19b~22節の講読
 ③ ヘブライ語・ギリシア語の人名や地名を日本語に訳してみる
予習内容
Preparation for Class
上記聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
manaba小テストに回答してください。
目安時間
Hours
2 時間
【第5回】 授業内容
Content/Topic
ルツ記2章(1)
 ① 土地の所有について〜土地・環境はだれのものか。
 ② ルツ記2章1~3節の講読
 ③ 「落ち穂拾い」の法
予習内容
Preparation for Class
上記聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす
ミレー「落穂拾い」を、同時代のブルトン「落穂拾いの女たちの召集」と比較して、違いを確認しておく。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
期末グループ発表課題(後述)への準備
目安時間
Hours
2 時間
【第6回】 授業内容
Content/Topic
ルツ記2章(2)
 ① 「善きサマリア人」(新約聖書ルカによる福音書10:25〜37)をめざす、現ナブルスのサマリア教徒たち
 ② ルツ記2章4~13節の講読
 ③ 「目の倫理」(レヴィナス)について
予習内容
Preparation for Class
上記聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
期末グループ発表課題(後述)への準備
目安時間
Hours
2 時間
【第7回】 授業内容
Content/Topic
ルツ記2章(3)
 ① あなたはだれを食事に招くか(古代オリエント世界の食事) 
 ② ルツ記2章14~23節の講読
 ③ 「子ども食堂」の公共性、教会堂を開く試み
予習内容
Preparation for Class
上記の聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす。
子ども食堂の現状について、情報を集めておく。
目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。manaba小テストに回答してください。期末グループ発表課題(後述)への準備 目安時間
Hours
2 時間
【第8回】 授業内容
Content/Topic
ルツ記3章(1)
 ① 状況倫理〜生き残るために倫理的・法的に逸脱することについて
 ② ルツ記3章1~9節の講読
 ③ 東アジアの80年代を振り返る〜国家転覆を扇動したとみなされた人々
予習内容
Preparation for Class
上記聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
期末グループ発表課題(後述)への準備
目安時間
Hours
2 時間
【第9回】 授業内容
Content/Topic
ルツ記3章(2)
 ① 立憲主義について
 ② ルツ記3章10~14節の講読
 ③ 古代イスラエルにおける「贖い」の法
予習内容
Preparation for Class
上記聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
期末グループ発表課題(後述)への準備
目安時間
Hours
2 時間
【第10回】 授業内容
Content/Topic
ルツ記3章(3)
 ① あなたの所持金が今なくなったとして、救済策はあるか。
 ② ルツ記3章15~18節の講読
 ③ キリスト者が「背負う」ものについて
予習内容
Preparation for Class
上記聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
期末グループ発表課題(後述)への準備
目安時間
Hours
2 時間
【第11回】 授業内容
Content/Topic
ルツ記4章(1)
 ① 緊急事態への対応としての裁判〜だれがだれを裁き、共同体から疎外しているか。
 ② ルツ記4章1~12節の講読
 ③ 古代の「市門」の公共性
予習内容
Preparation for Class
上記聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
期末グループ発表課題(後述)への準備
目安時間
Hours
2 時間
【第12回】 授業内容
Content/Topic
ルツ記4章(2)と発表
 ① ルツ記4章13~22節の講読
 ② 「ラケルの墓」と2023年ベツレヘムの「がれきのクリスマス」
ーーグループ発表 その1
予習内容
Preparation for Class
上記聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
期末グループ発表課題(後述)への準備
目安時間
Hours
2 時間
【第13回】 授業内容
Content/Topic
グループ発表会 その2
予習内容
Preparation for Class
上記聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
期末グループ発表課題(後述)への準備
目安時間
Hours
2 時間
【第14回】 授業内容
Content/Topic
グループ発表会 その3
予習内容
Preparation for Class
上記聖書箇所(前後の文脈も)に目をとおす。 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
授業のまとめ:学んだことや自他の意見の整理。授業で紹介する文献などを用いたさらなる思索。
期末グループ発表課題(後述)の振り返りないし準備
目安時間
Hours
2 時間
【第15回】 授業内容
Content/Topic
全体のまとめ
予習内容
Preparation for Class
全体の復習 目安時間
Hours
2 時間
復習内容
Review of Class
全体の復習
レポートに取り組んでください。
目安時間
Hours
2 時間
授業に関する注意事項   
Remarks for Class
● 遅刻や欠席に際しては、理由いかんにかかわらず、事前に必ず講師へのメール連絡をしてください。連絡がない場合は、配慮願の提出の有無にかかわらず、評価に影響するとお考えください。メールと配慮願いが合わせて考慮されます。
● 小テストやレポート等における「剽窃」には厳しく対応します。何が「剽窃」にあたるかについては最初の授業で確認します。
教科書   Texts 教科書として、以下の書籍を用います(講師の訳した本なので、極力購入を求めることは控えてきましたが、今年はこの本を軸に講義を組み立て、内容をぜひみなさんと共有いたしたく、基本的には購入をお願いします。経済的に購入が難しい場合は要相談)。 ニクラウス・ペーター『さまよう羊 ヤコブとルツの物語』(大石周平訳、一麦出版社、2020年)
出版社ホームページ→ https://www.ichibaku.co.jp/product/detail2.php?pd=0209

他に資料をmanabaを通して提供します。印刷物としては配らない場合、各自で必要に応じてプリントアウトしてください。その他、聖書は毎回用いますので、必ず手元にアプリ※であれ書物(詳細は参考書欄へ)であれ、何らかの形で参照できるように準備してください。※ App Store等で「聖書」の無料アプリケーション(Life.Churchのものなど)がありますので、各自の判断でダウンロードして活用してください。詳しくは授業の最初にお知らせします。
参考書   Reference Books ・ 『聖書 新共同訳』日本聖書協会、1993年. その他の日本語訳や、学生みなさんが第二外国語として学んでいる諸言語の翻訳聖書も使用します。購入の義務はありません(上述の無料アプリケーションやサイト等を利用の場合)。
以下、各回で参考にする書籍のリストです(購入の必要はありません)。数字は授業回を指す。
1. レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』(亜紀書房、2010年)
   磯前順一『昭和・平成・精神史 「終わらない戦後」と「幸せな日本人」』(講談社、2019年)
2. 美馬達哉『感染症社会〜アフターコロナの生政治』(人文書院、2020年)
3. ヘンリー・ナウエン『放蕩息子の帰郷〜父の家に立ち帰る物語』(あめんどう、2003年)
4. 平野雄吾『ルポ 入管 〜絶望の外国人収容施設』(ちくま新書、2020年)
5〜7, 10, 13. 教科書をとくに用いるところ
8,12. 長谷川修一『遺跡が語る聖書の世界』(新教出版社、2021年)
9. 宗泉盛編『台湾基督長老教会獄中証言集』(教文館、1986年)
11. ニクラウス・ペーター『信仰のいろはをつづる〜魂の解剖図と告白』(一麦出版社、2014年)
14. 戸谷洋志『ハンス・ヨナス 未来への責任〜やがて来たる子どもたちのための倫理学』、慶應義塾大学出版会、2021年
課題フィードバック方法区分
Assignment Feedback Method
その他
課題フィードバック方法内容
Assignment Feedback Method Content
期末にグループ発表をしていただきます(グループは第二回目の授業で編成)。
課題は、上述のとおり、旧約聖書『ルツ記』を自分たちなりに近・現代風にアレンジして創作した「シン・ルツ記」(仮題)の要約発表です。時代を近現代の歴史的なある時点、舞台をその歴史的な場のどこかに設定し、登場人物は意味のある名前とともに自由に設定していただきます。そのうえで、『ルツ記』1〜4章にそれぞれ対応する第1〜4幕の物語を作成し、その要約を発表していただく、その後、その原稿をグループメンバーで共に整えたレポートとして提出していただきます。課題のフィードバックは、発表をうけたその場で講師評を短く行い、レポートの返却はありません。レポートは、最終的な評点をつけるために提出していただくものです。
成績評価の基準   
Evaluation Criteria
出席前提のうえ、授業・協議参加の積極性を60%として評価します(※)。加えて、グループ共通のレポートへの取り組みと原稿化40%。学期末試験はありません。レポート課題については上述していますが、授業中により丁寧にご説明します。(※)授業参加とは、授業中の発言・発表、グループ発表や課題への取り組みのことです。
関連URL   Related URL 講師履歴URL(外部リンク):https://www.fuchu-nakagawara-church.com/bokushi.html
備考   Notes
添付ファイルの注意事項   Notice
更新日時   Date of  Update 2024年03月19日 15時00分42秒