シラバス情報

授業情報
※身につく能力について
複数の学科・専攻・コースで開講されている科目は、開講を担当する学科・専攻・コースの定めた「身につく能力」を表示しているため、履修要項・大学院要覧記載の「身につく能力」とは異なるものが表示されていることがあります。
授業によっては、「身につく能力」の記載がない場合もあります。
そのため「身につく能力」については履修要項・大学院要覧も確認するようにしてください。
授業コード   Course Code 2MC3009000
授業開講年度   Year of Class 2024年度
授業形態   Course Mode 講義(対面授業)
授業名称   Class Name KSECO314農業経済・食糧論/3214農業経済・食糧論
テーマ   Theme
科目名   Name of Subject KSECO314農業経済・食糧論
英字科目名
English Name of Subject
Agricultural Economics and Food Issues
身につく能力
Ability to be Acquired in This Class
◎=科目に最も関連する能力
〇=科目に関連する能力
知識・理解 国際社会や文化に関する総合的理解力
知識・理解 基礎的な学習能力
汎用的技能 語学力と国際コミュニケーション能力
汎用的技能 グローバル社会の問題を分析する力
態度・志向性 国際的視野、豊かな人間性、社会的責任
統合的な学習経験と創造的思考力 グローバル社会の課題を自ら発見する力
統合的な学習経験と創造的思考力 グローバル社会の問題の解決策を探る力
科目単位数   Credit 4
履修期   Term 秋学期
教員氏名   Name of Teacher 重冨 真一
開講キャンパス   Campus 横浜
曜時   Day and Period 月曜2時限(秋学期), 木曜2時限(秋学期)
授業概要   Course Description 本講義のテーマは、「開発と農業」である。2017年の世界の飢餓人口は8.2億人とされ、これは世界人口の11%にあたる。一方、世界の貧困人口の7割が農村に居住している。なぜ未だに少なからぬ人々が十分な食料をとれないのだろうか。なぜ食料を生産する人々の多くが貧しいのだろうか。この授業では、こうした疑問を念頭に置きながら、農産物の生産や流通の仕組みとそれ関わるアクター(農家、商人、アグリビジネス、地域社会、政府)について学んでいく。
到達目標   Class Goals (1)農産物・食料がいかなる担い手により、どのように作られやりとりされて我々のもとに届くのか、経済と社会の仕組みの中で理解する。
(2)開発途上国における農産物生産・流通の実態と食料のグローバルな流通システムを理解する。
授業言語   Language 日本語
アクティブ・ラーニング   Active Learning アクティブ・ラーニング対応
授業計画
Daily Class Schedule
【第1回】 授業内容
Content/Topic
1.イントロダクションとオリエンテーション(授業の進め方、学生の課題など)
2.経済発展と農業:
経済発展とともに農業は国民経済の中でどのような位置づけになるのか、どのような役割を期待されるのか、またどのような問題をもつのか。
予習内容
Preparation for Class
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4 時間
復習内容
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Hours
4 時間
【第2回】 授業内容
Content/Topic
3.日本の経済発展と農業(1):戦前編
日本の経済発展のために農業や農民が搾取された。それゆえに農民は極めて貧しかった。貧困問題が重要問題となり、戦争に突き進む中、食料供給問題と貧困問題が相矛盾する状況になった。そのため政府は、貧困問題に一定の譲歩を強いられた。国家管理に乗り出さざるをえなかった。
4.日本の経済発展と農業(2):戦後編
戦争という特殊なインパクトがあったため、戦後もまた食料問題と貧困問題を抱えた状態でスタートした。しかし食糧増産はまもなく成し遂げられ、貧困問題が中心的な問題となる。それも高度経済成長で解消すると、今度は構造問題が生じて現在に至る。
予習内容
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4 時間
復習内容
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【第3回】 授業内容
Content/Topic
5.農業生産の担い手:
世界の農業生産のほとんどは家族経営によってなされている。なぜ農業は家族という経営形態をとるのか。家族という経営形態はどのような特色・強みをもっているのか。家族経営のあり方は家族のあり方によって違いがある。
6.ゲストスピーカー(農業の生産や流通の現場で活躍する方をお招きする予定)
予習内容
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復習内容
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【第4回】 授業内容
Content/Topic
7.農業の技術と生産力(1):
経済の発展にとって農業技術の発展は非常に重要である。農業の技術にはBC技術とM技術があり、前者は収量を増大させ、後者は効率性を増大させる。しかしそれぞれの技術には制約条件がある。
8.農業の技術と生産力(2):
アジアの農業に大きな変化をもたらした緑の革命とはどのようなものだったのか。農業の技術革新は、公共性の高いものであったが、次第に私企業によってなされるようになり、農民は費用を払ってその技術を購入するようになった。さらに自然の摂理にはない技術革新が起きるようになった(遺伝子組み換え)。こうした変化にあらがう動きも出てきている(有機農業)。
予習内容
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復習内容
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【第5回】 授業内容
Content/Topic
9.農産物価格と市場の理論:
農業生産者の多くは農産物を販売する。さもないと農業生産者以外の人たちは飢えてしまう。そのときの価格が生産者の貧困問題と直結する。またその価格が彼らの生産意欲を決めるから食料生産をも規定する。農産物の価格にはどのような特色があるのか、それはどのようにして決まるのか。
10.農産物流通の制度:
価格決定のメカニズムや特色がわかったところで、農業生産者が現実に相対する市場がどのようなものなのかを見ていく。相対取引、中間商人というものはどういうものか。
予習内容
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【第6回】 授業内容
Content/Topic
11.農産物流通の制度(続き)
国際農業データベース(FAOSTAT)を使って農産物の生産と貿易を調べる
12.農業金融:
農業生産には季節性があり、それは収入にも季節性があるということである。十分な貯金があればよいが、貧しい農民はしばしば次の農業生産開始時に資金が不足することがある。そこで農業金融が重要になる。しかし負債が農民を貧困に突き落とす原因にもなる。
予習内容
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復習内容
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【第7回】 授業内容
Content/Topic
13.農業金融(つづき)
14.協同組合:
協同組合は民衆を貧困から救う手段として19世紀半ばに生み出された。協同組合とは何か、協同組合にはどのような期待がかけられてきたのか、実際の協同組合はそれにどう応えているのか。
予習内容
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復習内容
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【第8回】 授業内容
Content/Topic
15.農民層分解:
これまで述べてきたような様々な対応をしても、農業生産者の一部は経営を維持できずに次第に農業から退出して行かざるをえない。これが「競争」というものの帰結である。農家の一部が上昇し、一部が脱落するのはなぜか。
16.土地制度:
農民層分解や歴史的な背景から、自分では耕せないほどの土地をもつ者と、生活できるだけの土地をもたない農民がいる。彼らの間に土地用益の取引関係、いわゆる地主小作関係が生じる。その実態を日本や発展途上国の事例から説明する。また土地の所有と利用に関する国家の規制についても述べる。土地は公共性をもつ財なので、都市部では農地として利用することの是非が問われてきた。都市農業の実態と土地利用のゾーニングについても解説する。
予習内容
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復習内容
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【第9回】 授業内容
Content/Topic
17.労働移動:
土地へのアクセスがない農家、農村住民は、農業外の仕事にアクセスする必要がある。こうして農業・農村セクターから非農業・都市セクターに労働力が移動する。こうした移動が経済発展においてどのような意味をもつのかを考える。
18.国際食料問題の概観:
世界の食料問題を概観する。世界の食糧生産量は需要を満たすことができる。しかし食料の余っている国がある一方で足りない国がある。どうしてか。
予習内容
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復習内容
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【第10回】 授業内容
Content/Topic
19.食料援助と食料貿易戦略:
NHK特集「食卓のかげの星条旗」から、アメリカの食糧外交戦略とそれに翻弄された日本の食と農業について考える。
20.農産物貿易と国際協定:
食料問題の解決には国際的な協調が重要である。戦後、どのような枠組みが作られ、それをめぐってどのような国際的な交渉がおこなわれてきたのか。そして現在の貿易管理はどうなっているのか。
予習内容
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復習内容
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【第11回】 授業内容
Content/Topic
21.食を支配するのはだれかーフードシステムとGVC:
生産された農産物が私たちのところに届くまで、流通業者や加工業者を手を経ている。そうした食料の流れの仕組みをフードシステムと呼ぶ。この食料の流れが誰によって支配されているのか。Global Value Chain(GVC)という理論を用いて説明する。またこうした企業による流通支配の打破を試みるフェアトレードについても解説する。
22.ゲストスピーカー
予習内容
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復習内容
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【第12回】 授業内容
Content/Topic
23.食を支配するのはだれか(続き):
アグリビジネスとはどのような企業か。農業生産や食の加工流通においてどのような働きをしているのか。
24.飢饉と食糧危機:
食料不足の極端かつ大規模な発生である飢饉が、なぜ起きるのか。マルサスの系譜を引く不可避論、A・センの人為論などを紹介する。実際の飢饉がどのようにして起きたのか。日本の経験も含めて解説する。
予習内容
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復習内容
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【第13回】 授業内容
Content/Topic
25.コメの国際取引と食糧危機:
コメとはどのような穀物か。国際市場での取引に見られる特色と2008年に発生した世界的な食糧危機について解説する。
26.トウモロコシの国際流通:
家畜の主たる飼料となるトウモロコシについて、生産と国際的な流通の実態を解説する。アメリカが圧倒的なシェアを持つ中で、発展途上国の生産国がどのような対応をしているのか。飼料原料として輸入に大きく依存している日本の畜産業で起きている問題についても解説する。
予習内容
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復習内容
Review of Class
課題を調べて報告の準備をする。 目安時間
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【第14回】 授業内容
Content/Topic
27.紅茶と砂糖のグローバルヒストリー:
紅茶といえばイギリス。その紅茶も、そこにたっぷり入った砂糖も、イギリスでは生産できない。生産地はいずれも発展途上国である。紅茶と砂糖を通して、帝国の植民地支配がどのように移り変わったかを見ていく。
28.農業と環境、資源:
農業は生産地の外部環境に大きく影響を受ける。また自然の資源にも大きく依存している。そのため農業生産は環境や資源の管理の仕組みとセットになっている。どのような仕組みが、農業生産者や政府によって作られてきたのか、水利灌漑、森林管理、中山間地の環境保全について、日本、EU、途上国などの例を挙げながら解説する。
予習内容
Preparation for Class
授業資料に目を通す。課題を調べて報告の準備をする。 目安時間
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復習内容
Review of Class
課題を調べて報告の準備をする。 目安時間
Hours
4 時間
【第15回】 授業内容
Content/Topic
29.食の安全と農産物貿易についての自主研究
食の安全性にどのような問題が出され、それに対してどのような対応がなされてきたのかを考える。
30.授業内容のまとめを各自おこなう
予習内容
Preparation for Class
配布された授業資料に目を通す。課題を調べて報告の準備をする。 目安時間
Hours
4 時間
復習内容
Review of Class
期末レポートの準備をする。 目安時間
Hours
4 時間
授業に関する注意事項   
Remarks for Class
事前に講義内容の資料またはテキストを配布するので、それを読んで授業に参加する。授業中や授業の予復習として、クイズや小課題をおこなったり、インターネットを使って授業と関連する事項について調べたりすることがある。期末レポートの内容について、授業中に中間報告をすることを奨励する。
教科書   Texts 特に教科書は指定せず、授業のテーマごとに資料を配付する。
参考書   Reference Books 荏開津典生・鈴木 宣弘『農業経済学』(第4版)、岩波書店、2015年。生源寺眞一『農業と人間ー食と農の未来を考える』岩波書店、2013年。
課題フィードバック方法区分
Assignment Feedback Method
授業時間内に講評・解説を行い、授業時間外はmanabaで行う
課題フィードバック方法内容
Assignment Feedback Method Content
成績評価の基準   
Evaluation Criteria
授業中または授業後におこなう授業のまとめ作成(クイズを含む):40点。授業内での報告:10点。
期末レポート(50%):今年度のテーマは、「○○が私のところに届くまで」。○○には農林水産物または食品の名前が入る。自分の関心のあるコモディティをひとつ選んで、その生産、加工、流通過程を調べる。
関連URL   Related URL
備考   Notes 講義の順番は入れ替わることがある。
添付ファイルの注意事項   Notice
更新日時   Date of  Update 2024年02月12日 21時24分05秒